みなさまこんにちは。

私は三児の父ですから、街で見かける女性の膨らんだお腹が、妊娠によるものなのかそうでないのかは、よくわかるつもりです。通勤は地下鉄で比較的座りやすい路線なものですから、妊婦さんがいたらいつでも席をお譲りしようと思っています。お腹がちょっと膨らんできたような頃がつわりで大変だったりしますからね。

今日も地下鉄でウトウト・・・(あっ、目の前に妊婦さんが)

私「どうぞ、お座りになられますか?(キリッ)」
女性「ち、ち、違います違います違うんですっ!」
私「......ゴクリ...」

これはなかなかのトラウマ案件ですが、私はめげませんよ。

さて、PSA・プジョーシトロエングループが2014年上半期の業績を発表いたしました。ルノーから転身した新CEOのカルロス・タバレス氏が率いる新生PSAにとって初の決算発表ということで業界の注目度も高いはずで、このエントリーのアクセスもたぶんうなぎ登りになると思うのですが、私の思い過ごしでしょうか。

PSA's car division back in profit as new CEO makes mark
- Automotive News Europe -

上記の記事によると、上半期のキャッシュフロー(現金収支)は急増し、自動車部門の利益も半期としては過去3年で最大となり、再建計画の結果ぎ早くも出始めているようです。

今年1〜6月の営業キャッシュフローは16.7億ユーロ( 2,300億円)で前年同期の2億ユーロ(280億円)のおよそ8倍。これは在庫の削減と生産・物流の効率化によるものだそうです。

そして、純損失は昨年上半期の4億7,000万ユーロ(650億円)よ赤字から1億1,500ユーロ(160億円)の赤字へと大幅に削減されました。厳しい為替環境にも関わらず、自動車部門は昨年上期の5億4,000万ユーロ(750億円)の営業赤字から700万ユーロ(10億円)の営業黒字に転換したそうです。また、グループ全体の売上高は昨年同期比0.4%減の276億ユーロ(3兆8,000億円)でした。

この数字の説明の順番はリンク先の記事通りなんですが、キャッシュフローが先頭で売上高が最後っていうのが面白いですね。日本だったら逆になるのですが。でも経営にとっては資金繰りが最重要であることは言うまでもありませんから、こちらの方が理にかなっているとは言えますね。

さて、PSAといえば、その経営立て直しのために、フランス政府と中国の東風自動車から出資を受けて資本の増強を行っております。出資は今年4月29日までに完了しており、フランス政府と東風自動車がそれぞれ14%の議決権を持っています。

仏 PSA プジョー シトロエン、中国東風汽車からの出資が完了
- Response -

この増資によって2014年6月30日現在の純資産は107億ユーロとなりました。総資産が650億ユーロですから、自己資本比率が16.5%です。

え?資本増強後の自己資本比率が16%?低すぎないですか?

と思って調べてみたのですが、救済前の自己資本比率は約10%、欧州の雄フォルクスワーゲンでも約30%、トヨタもホンダも40%弱ですから、そんなもんなんでしょうね。

さて、次にブランド別、車種別の状況を見てみましょう。ソースはPSAのIR資料です。

PSA - Finance - Presentations & publications
- PSA Peugeot Citroen -

まずはブランド別。数字は2014年上半期の新車登録台数、カッコ内は前年同期台数と増減率です。

プジョー:853,559(808,147 / +5.6%)
シトロエン:623,735(581,971 / +7.2%)
DS:63,789(70,548 / -9.6%)
合計:1,541,083(1,460,666 / +5.5%)

プジョーは新型308が前年同期比3万台増の14万台。2008も10万台弱売れていて、この2車種の好調が際立っています。208は横ばいの18万台ですが、需要の一部は2008とカニバるので、あまり気にする必要もないかと思います。

シトロエンはC4が前年同期比1.5万台増の20.5万台、C3が同1.5万台増の14.5万台でした。C4はハッチバックとピカソの合算ですが、昨年の発売から約1年で12万5千台が販売されたということですから、C4の販売増にはピカソがかなり寄与しているのでしょう。

そしてシトロエンから独立したブランドとなったDSは前期比6千台減の6万4千台でした。商品の目新しさが薄れてしまったことが販売減の原因といわれています。

DSの販売が落ちていたり、シトロエンで数が出ているのがC3とC4くらいしかないのは課題であるものの、308や2008、C4ピカソが好調なのはよいニュースです。

これらは、発売のタイミングからしてタバレスCEOの就任前から決まっていた「Before Tavares」モデルであるため、新CEOの成果とは言えません。

そういえば、昔日産自動車が傾いてカルロスゴーンが就任した直後に、どうにもこうにもやっつけ仕事的な新モデルが発表されて、ゴーンの側近のフランス人が「これは就任前から決まっていたモデルですのでモゴモゴ」みたいなことを言っていたのを思いだしましたね。今回はそれの逆バージョンです。

ともかく、308もC4ピカソも、おそらく体制変更前の自力の開発力で成果が出始めているということですから、これに新経営陣による改革の相乗効果が生まれれば相当強いんじゃないかと思います。

フランス政府と中国資本の救済によってもなお、前途多難で課題山積といわれているPSAグループですが、308やC4ピカソなどの評判を聞く限りでは、少なくとも向こう5〜6年の商品力はかなり期待できるんじゃないかと考えています。

えっ?

シトロエンからDSブランドが独立したのなら「PSA・プジョーシトロエン」じゃなくて「PSA・プジョーシトロエンDS」じゃないのって?

あー、いやー、彼らもそこはちょっと触れて欲しくないと思ってるんじゃないですかね。。。