みなさまこんにちは。

ゴールデンウイークももうすぐ終わりですね。私は今年も嫁さんの実家に篭っていますが、仕事と家事と三児の育児でとても「休暇」と呼べる日がない私にとっては本当にゴールデンなウィークです。子どもの風呂入れも掃除も洗濯も明日の保育園の準備もしなくていいんですからね。悩みの手荒れもよくなります。

もちろん日中はいちご狩りや公園やピクニックと子供たちを遊ばせるために忙しく立ち回ってそれなりにヘトヘトではあるのですが、風呂上りにビールを飲みながらブログを書けるなんて、年に何日あるかわかりません。

さて、昨年夏ごろには2代目にモデルチェンジされるとの報道もあったプジョーのスポーツクーペ「RCZ」。私も昨年7月に「プジョーがRCZの次期型を開発中らしい」というエントリーを書いたのですが、残念ながら、RCZは現行モデルで廃止されることが公式に確認されました。

プジョー部門のCEOであるMaxime Picat氏が、4月に開催された上海モーターショウでメディアのインタビューに答え、RCZがモデルチェンジされないことを認めたとのことです。
The coupe will be a casualty of Peugeot’s model cull, which will reduce the number of vehicles it produces from 26 to 13 by 2022.(拙訳: RCZはプジョーが2022年までに現在の26から13に削減するモデル淘汰計画の犠牲になる。)
Peugeot RCZ will not be replaced.
- Autocar -
“I love the RCZ, but I want us to focus on making the best of our core models..."(私はRCZが好きです。しかし私達は中核車種のためにベストを尽くすべきなのです。)
Peugeot Boss Says No To A Successor For The RCZ Coupe
- Carscoops -


RCZはプジョーの現行ラインアップで、というか歴代プジョーでも唯一の「他のモデルの派生車種ではない専用ボディ」が与えられたスポーツクーペです。同じく専用ボディのスポーツクーペであるアウディTTが3代目への進化を果たしたのとは対照的に、2010年に発売されたプジョーRCZは2012年のフェイスリフトは経たものの、1代限りで姿を消すこととなります。

売れたのか売れなかったのか、と言われれば、そう売れてはいません。RCZのグローバルの販売台数は、2012年が11,118台、2013年が9,249台、2014年が6,994台でした。

ところが、これが競合車種に比べてそんなに少ないのかというとそうでもありません。直接のライバルとされるアウディTTクーペの2014年の生産台数は12,981台(ロードスター除く)。モデル末期ではありますが、アウディTTもニッチであることには変わりありません。

それでも続けられるということは、やはりフォルクスワーゲングループの体力なんでしょうね。

プジョーにとってニッチを追い続けることは限られた能力やリソースが分散されることにつながるため、現在の財政難においては続けられないということだそうです。

プロポーションはアウディTTの影響をもろに受けているとはいえ、他のどの車にも似ていない唯一無二のデザインであるRCZはいま見てもドキッとするような存在感です。これがなくなってしまうのは本当に残念ですね。

それではせっかくですので、在りし日(となる予定)のRCZの雄姿をそのデビュー当時のプレスリリースのコメントを添えてお届けします。

More than just a concept car which has become a reality, the Peugeot RCZ marks a new chapter in the history of Peugeot "lifestyle vehicles". (コンセプトカーがいま現実のものとなる。プジョーRCZが、プジョーの「ライフスタイル」の歴史に新たなページを刻む。)


Its expressive and innovative styling, its luxurious interior, its efficient and environmentally- friendly engines and the driving enjoyment they create will project the Marque into a future which promises to be more exciting than ever.(その表現力豊かで革新的なスタイル、 豪華なインテリア、効率的で環境に優しいエンジンとドライビングの喜び。それはプジョーブランドをかつてないほどに心踊る未来へと導くのだ。)


Drawing inspiration from the passion and know-how of its designers and engineers, Peugeot instills its brand values in every vehicle it manufactures.
(エンジニアのノウハウと情熱から刺激を引き出し、プジョーはそのすべてのモデルにブランド価値を吹き込む。)


Sometimes however, freed from constraints and fired by creativity, Peugeot takes a bold new step and introduces "lifestyle" vehicles that are truly exceptional. (しかし時に、その制約から解き放たれて火のついた創造性によって、プジョーは新たな一歩を踏み出し、真に類い稀といえる「ライフスタイル」を提案するのだ。)


The latter always arouses emotion, inspiring admiration among motoring enthusiasts...(それは常に感情を呼び醒まし、熱狂的な自動車愛好家の賞賛を受ける...)


Its name, RCZ, symbolises this distinctive and singular positioning in relation to the Peugeot range, since it is the first passenger vehicle not to use the numbering system with a central "zero" or "double zero".(その名はRCZ。プジョーの他のレンジとは一線を画す唯一のポジショニングを象徴するため、車名の中央に「ゼロ」や「ダブルゼロ」のナンバリングを採用しない初の乗用車だ。)




合掌・・・・・・