みなさまあけましておめでとうございます。

って、もう1月下旬ですが。。。

昨年1月にライブドアに引っ越した当ブログですが、2015年が明けてからアクセス数が前四半期の2倍のペースで推移しています。もとももバズるほどのネタがあるわけもないですし、検索キーワードなんかもさほど変化はないんですけどね。表示順位が上がったのかな。これは嬉しい反面、またどこかでゴミブログとか言われないように精進しなければなりません。

さて、2014年の輸入車新車販売実績の速報がJAIA、日本自動車輸入組合から発表されました。

昨年は本ブログでも販売実績速報のエントリーを毎月上げていたのですが、途中でやめちゃいまして。私が統計に飽きたわけではないのですが、統計のことばかり書いていると他のことが書けないのに加えて、販売実績のエントリーはPVが上がらないんですよね。それもまったくと言っていいほどさっぱりなんです。

まあ趣味のブログなので好きなものを好きなだけ書いていればいいんですけど、やっぱりまったく読まれないとさすがにインセンティブになりません。他にも書きたいこともありますのでね。

で、本題です。

2014年の外国メーカー乗用車の新車登録台数は288,830台で、昨年の278,846台から3.6%の増加となりました。30万台の大台には届かなかったものの、1996年の統計開始以来3番目の水準で、17年ぶりの高水準。軽自動車を除く登録車に占める割合も8.8%と過去最高を記録しました。国産登録車は前年比0.8%増にとどまりましたので、輸入車全体としては好調で、日本市場への浸透がより進んだと言えると思います。
輸入車販売17年ぶり高水準 14年、3.4%増の29万台
- 日本経済新聞 -


そしてこちらがブランド別の販売実績です。
2015-01-20-13-26-22


2014年は、年初からぶっちぎりのペースで2位以下に差をつけたフォルクスワーゲンが67,438台でトップでした。前年比0.2%増で市場平均よりは低い伸び率ですが、新モデルがポロのマイナーチェンジくらいしかなかったにも関わらず固い数字を出しているのは立派ではないでしょうか。
VW 国内販売台数、2年連続で過去最高…2014年
- レスポンス -

ゴルフが3万台売れたというのもすごいですね。年間31,410台って、国産登録車のモデル別ランキングだと25位に相当します。ゴルフは、24位のホンダオデッセイ(32,749台)の次に売れていて、26位のマツダCX-5(29,466台)より多いんですよ。もう普通の人が普通に買う車です。

続いてメルセデス。前年比13%増の60,834台で、フォルクスワーゲンに7,000台弱と迫りました。昨年7月に日本に導入された新型Cクラスが販売を牽引したものと思われます。

BMWは「4シリーズ グランクーペ」「2シリーズ クーペ」「2シリーズ アクティブツアラー」などの新車がありましたが、前年比1%減の45,645台でした。主力の3シリーズや5シリーズが前年割れとなったことが響いたようです。

アウディは年初に発売したA3セダンが販売を牽引して昨年比10%増の31,413台で過去最高を記録。A3は昨年の4,600台から倍増して10,400台も売れました。
アウディ ジャパン、2014年新車登録で記録更新
- Autocar Digital -


その他、フォードも前年比18%増の4,598台。フィアットクライスラー改めFCAグループの擁するフィアットやジープも好調で、グループ全体で前年比9%増の18,283台となりました。FCAジャパンは2015年1月1日に発足しましたが、メディアからも元旦に記事が配信されるという気合の入りようです。
フィアット クライスラー ジャパンが社名変更、「FCAジャパン」に
- レスポンス 2015年1月1日(木)7:00 -


元日に配信記事を見かけたときはビックリしまし、意味あるの?とも思いましたが、やはり神は細部に宿るというか、一見どうでもよさそうなことを丁寧に細かく対応することが付加価値の向上に繋がるんだろうなあと。

そこの某自動車会社さん、関係者外秘のセールスマニュアルを、自社サイト配下とはいえ部外者でも簡単に見られるようにアップなんかしてちゃダメですよ。

コホン。

そしてわがフランス勢。ルノージャポンはクリオやキャプチャーの好調によって前年比23%増の4,662台となりました。
ルノー・ジャポン販売が過去最高に…店舗の質の向上「まだ道半ば」
- レスポンス -


そしてそして、PSAプジョーシトロエンはというと・・・

プジョーが前年比4%減の5,710台。シトロエンは前年比21%減の2,321台。12月から統計が独立したDSが86台。グループ合計で9%減の8,117台という結果でした。

まあ、理由は明らかに車種不足なんですよ。2014年はプジョー308、シトロエンC4ピカソのモデルチェンジの端境期が重なり、およそ半年に渡って主力車種が供給できない状況が続きました。

「旧モデルは本国で既に生産終了したので、受注終了。しかし新モデルの日本仕様は諸般の事情で間に合わない。」なんてのは普通は考えられないのですが、これが普通に起きるのがフランス車ですね。

欠品による売り逃しを防ぐには在庫を厚くすることなんでしょうが、そもそもインポーターにもディーラーにもそんな体力はなさそうですし。仕方ないですよねえ。売り物がないんだもん。

しかし一方で、プジョー208や2008、シトロエンC3やDSシリーズの国内販売が好調だという話も聞こえてきません。

つまり、2014年のPSAの販売実績が商品不足による事は事実なのですが、プジョー、シトロエンブランド自体が日本市場で訴求しきれていないということも否定できないのだと思います。

下のグラフは中堅輸入車ブランドの新車販売実績の推移です。

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プジョーは2003年の15,330台を最後に販売台数は坂道を転げ落ちるように転がり落ち続け、2009年の4,365台でようやくそこを打ちました。

そして5年かけて6,000台弱まで回復しましたが、1999年の7,145台にはまだまだ及ばない水準です。この年のシトロエンが1,116台でしたから、2014年のPSAの実績は15年前の水準とほぼ同じ。

206の大ヒットによって4年で2倍になった販売が5年で3分の1に急落してヨロヨロと元に戻るというのは、典型的なバブルの様相を見ているようでしみじみとしてきます。いまや日本の「おしゃれ小型車」の市場はMINIと500にほぼ完全に持って行かれていますから、あの206バブルのような状況はなかなか生じ得ないでしょう。

そうはいってもグループで年間8,000台では非常に心もとないですので、やはり早期に1万台、5〜6年で12,000〜13,000台くらいに伸ばしてもらいたいものです。おそらくこのあたりが日本で「まともに」ビジネスを進める上での最低ラインなんじゃないでしょうか。オーナーとしても、4〜5,000台なんてレベルだと安心できないですしね。

ともかく、PCJ様におかれましては、過去の栄光は綺麗さっぱり忘れ去って、地道にコツコツと販売を積み上げるしかないのかなと思います。

日本が望む仕様の本国への要求、新車の早期リリース、ディーラーのクオリティ向上、日本におけるフランス車の価値を訴求するためのマーケティングなど課題は山ほどあると思います。みんカラの個人ブログに介入してる暇なんかありませんよ。

幸いにして、フランス車にはそのデザインや乗り味、実用性などに他国の自動車には真似のできない独自の魅力がありますし、品質の向上も目覚しいものがあります。

2015年のPCJには新型308もあるし、C4ピカソもあります。売り物がないとはとても言えない状況です。2015年はMINIやフィアットの背中がますます遠のいたなんてことにならないような年にして頂きたいですね。

ということで、当ブログは本年もまったりと進行しますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

2015/1/20
12月の統計より、DSブランドがシトロエンから独立していましたので表や数字を修正しました。ただし、DSの12月は86台と僅少なため、文意に変更はありません。