みなさまこんにちは。

私はフランス車に14年乗っていますが、やっぱりドイツ車にも憧れますね。この前職場の近くを歩いていたら、BMWのアルピナがスーッと走ってきてですね、ちょうど歩道を歩く私の横に信号待ちで停まったわけです。先代か先々代の5シリーズセダンかな。独特の輝きを放つアルピナブルーにサイドのゴールドライン。かっこいいですねー。

そして運転手は初老のご婦人!すげー!

「いや夫がね。こういうの派手なのが好きなのよ。私は普通の(Sクラスとか7シリーズとか)でいいって言ったのよ。」という声が聞こえてきそうです。

後部座席にはこれまた上品そうな30代くらいの女性が座っていて、その隣には4〜5歳くらいの女の子が。

4〜5歳くらいの女の子が、助手席のヘッドレストを両手でつかんで、後部座席の足元に立っている・・・

立っている・・・・・・・・・・・・。


さて、少し前の話になりますが、わがPSA、プジョーシトロエングループの2014年の決算が発表されておりますので、簡単に振り返ってみたいと思います。
Worldwide Sales Up 4.3% to 2.939 Million Units in 2014
PSA Group Press Releases 2015/1/14

上記の発表資料のより詳細なPDFはこちらです。
http://www.psa-peugeot-citroen.com/en/simplezip?hDoc=31992&ChkDoc%5B%5D=31992


また、アニュアルレポートはこちらです。車種別販売実績はアニュアルレポートの「Sales Details」にあります。
Annual Results
PSA Group Financial Publications


まずは2014年の主要トピックです。

・2014年のグループ販売台数は2013年から4.3%増加して293万9千台を達成。
・中国が単独市場として最大に。前年比31.9%増の73万4千台を販売。
・欧州は昨年比8.1%増の176万台。
・グローバルモデルである308、2008、3008の成功
・DSブランドのシトロエンからの独立
・在庫削減プランの成功。

ということでした。中国すごいですね。PSAは中国資本も入っていますから、中国でジャンジャンバリバリ稼いで欲しいものです。

また、下記のリリースでは「Net debt free」としきりに強調されていますが、どうやらいわゆる実質無借金になったようです。
PSA Peugeot Citroën ‘Back in the Race’
€2.2 billion of operating Free Cash Flow in 2014, the Group is net debt free
PSA Group Press Releases 2015/2/18


「実質」無借金ですから借金はゼロではありませんが、簡単に言うと「手元の現預金で借入金を全て返済できる状態」です。つまり、住宅ローンはあと3,000万円残っているのに貯金が4,000万円あっていつでも全額返済できますよ、という夢のような状態ですね。

「自分、実質無借金ですから。」

って、言ってみたいですね。

さて、PSAグループの2014年の売上高は前年比1%増の536億ユーロ、純損失は5億5,500万ユーロとなりました。2013年の22億ユーロの赤字から16億ユーロ改善しています。

売上高と利益の推移を見てみましょう。PSAグループのIRサイトから確認できる2006年以降の数字です。売上高については、直近の最高値である2007年の586億ユーロにはまだ50億ユーロ近く足りない状況です。また、利益にいたっては2006年から2014年の9年間で黒字になったのがわずか4年間しかなく、最高益が2010年のたった11億ユーロでした。赤字の方は強烈です。2011年に50億ユーロ、2012年に23億ユーロの巨額の赤字を計上していて、結局過去9年間の累計ではおよそ68億ユーロの損失となっています。

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PSAグループの発表資料を元に筆者作成


収益性が大幅に改善したとはいえ、過去3年間の赤字は80億ユーロに昇りますからPSAグループの500〜600億ユーロの売上規模では、過去の累積損失を解消するには少なくとも3〜4年はかかるものと思われます。

株価の方は、2012年に4ユーロで底を打ってから最近の業績回復により17ユーロ近くまで回復しております。ただし、直近最高値の2007年には47ユーロまで上がっていましたので、まだまだ最高値の半分以下の水準です。国内でPSAの株式を保有されてる方はあまり多くないと思いますが、高値で掴まれた方にはご愁傷様ですとしか言いようがありません。


続いて販売台数を見ていきましょう。PSAグループのグローバルの新車登録台数は、2013年の281万台から2014年は294万台と4.3%の増加となりました。ブランド別ではプジョーが前年比5.3%増の164万台、シトロエンが3.7%増の119万台、DSが3.4%減の12万台という結果した。こちらも売上と同様に2007年のピークにはまだ届きません。

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PSAグループの発表資料を元に筆者作成


モデル別の新車登録台数を、ブランドごとに台数の多い順から並べてみました。
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PSAグループの発表資料を元に筆者作成


冒頭のリリースにもある通り、プジョーは欧州カーオブザイヤーを獲得した2代目308とBセグクロスオーバーの2008が好調です。3008も結構売れてるんですね。

シトロエンはC4が稼ぎ頭ですが、ここにはC4ハッチバックに加えて、C4ピカソとC4カクタスも含まれています。それで前年比2%減ですので、ハッチバックが売れていないんでしょうね。C5がシトロエンで6番目に売れているというのは以外でしたが、これはカンパニーカー需要なんですかね。

DSもちょっと深刻で、中国専売仕様のないDS3とDS4が大幅減です。原因はひとえに新車が発売されていないためであって、DS4はデビューから4年、DS3は6年経過していて新規性が弱まっています。

そして、DSについてはちょっと面白い資料がありました。先ほどのプレスリリースの最後に、ブランド別国別のトップ10が載っておりまして、DSの国別販売ランキングで日本が970台で10位に入っていました。なお、プジョーブランドの国別10位がオランダの4万2千台、シトロエンの10位がやはりオランダの2万1千台ですから、プジョーシトロエンに関しては、日本はランキング圏外の遥か彼方のまた向こうであります。

2014年の日本でのシトロエンとDSの登録台数は合わせて2,407台(JAIA調べ)でしたので、日本のシトロエン・DS全体に占めるDS車の比率は40%を超えていることになります。この比率はランキングに掲載されている欧州各国と中国ではだいたい10%前後で、本国フランスでは11%、最も高いイギリスでも21%となっています。

DSはフランスでは2014年の1年間で3万台、イギリスでも2万4千台も売れていますから、それと比べれば日本の970台というのは微々たる数字です。しかし、「DS率」が頭抜けて高い日本市場は、DSブランドにとっては注目すべき重要な市場ではありそうです。日本での店舗展開やブランド展開においてパイロット的な取り組みが行われるのかもしれません。少なくとも商品については日本人好みの仕様を用意して頂きたいですね。

ちなみに、シトロエンブランドは1,437台だったということですね。車種別の台数は不明ですが、おそらくC3とC4ピカソでほぼ二分しているのでしょう。昨年末からJAIAの統計がDSと分けられたシトロエンは、1,437台という数字が2015年のベンチマークになりますので、おさえておきましょう。

ということで、2015年のプジョーシトロエンDSについては、大きな新車は予定されていませんが、308もC4カクタスもC4ピカソも販売好調のようですので、ぜひとも黒字を達成して私たちを安心させて頂きたいですね。