みなさまこんにちは。

このエントリーは8月初旬に書き始めたので、暑い暑い暑いですねーと書こうと思っていたら、もうめっきり涼しくなってしまって、あの猛暑はいったい何だったのだろうと思っちゃいますね。うだるような暑さの時には「早く涼しくならないかなあ」と思いながら、いざ夏が過ぎ去るとあの暑さが少し恋しくなるのだから、どうしようもないですね。

さて、今回はドライブレコーダーの話題です。私の308SWは快調そのものだし、8月はヨーロッパも休暇モードでフランクフルトショーまでは大したニュースもないし、新車の試乗もできていないものですから。

ドラレコ、着けたいなあとおもっているわけですが、ドライブレコーダーを着ける目的ってなんでしょう。

DQNなドライバーをネットで晒す?

しませんよそんなことは、たぶん・・・

運転中に遭遇するビックリドッキリ映像をシェアするのはありですね。以前、首都高速中央環状線の四つ木あたりで、狭い路肩でインド系の男が立ってこちらを向いて手を振っていました。シュールでしたね。近くに停止車両もなく、あれはいったいなんだったのでしょうか。彼は無事地上に降りられたのでしょうか。

こんな映像が撮れればシェアのしがいがあるというものでしょうが、なかなか難しいでしょうねえ。


隕石だもんな・・・

やはり、ドライブレコーダーを着ける目的は、もちろん万が一の事故の際の証拠映像としてですね。

しかし、いざ調べ始めるととにかく製品の数が多く、いったい何をどう選べばいいのかよくわかりません。ネットをいろいろと探したのですが、国内大手メーカーが本腰を入れて広告宣伝費を投じていないためなのか、あんまりいい記事もないんですよね。

ということで、今回はドライブレコーダーについて自分が本気で買うつもりで調べてみましたので共有させて頂きます。相当長くなりましたので、当ブログ史上初の「目次」つきでお送りします。

01.ドラレコは事故の証拠に使える?
02.解像度
03.フレームレート
04.WDR / HDR
05.画角
06.GPS
07.常時録画・加速度センサー
08.音声録音
09.駐車録画
10.電波干渉対策
11.動作温度
12.Wi-Fi
13.デザイン
14.運転支援機能

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01.ドラレコは事故の証拠に使える?
そもそも、ドライブレコーダーは事故の証拠映像として使えるのでしょうか。各方面の見解を見てみましょう。
本機は、事故の検証に役立つことも目的の一つとした製品ですが、証拠としての効力を保証するものではありません。
トヨタ純正ドライブレコーダー
- トヨタ -

まあ、メーカーとしてはそう言うしかないですよね。
「他の証拠との兼ね合いから有力な証拠かどうかが決まりますので、一概に『有力な証拠になる』と断言することはできません。
弁護士が解説--交通事故解決に役立つ「ドライブレコーダー」の証拠能力
- zakzak -

まあ、弁護士もそう言うでしょうね。
もしも交通事故が起きた時には、記録された映像等が有力な証拠となります。
事故が起きてしまったとき、事故の映像を記録するドライブレコーダー!
- 国土交通省 -

ああ、国交省はドラレコ推しなんですね。

ネットの体験談などでは「事故現場で警察官が見てくれなかった」「保険会社が見てくれなかった」などの声も散見されますが、その辺りは現場の警察官や担当者にもよったり、交渉テクニックによるところもあるのでしょう。

実際に事故に遭った人からは「ドライブレコーダーがなければどうなっていたことか」という声も聞きますので、やはり相応の効力はあるんだろうと思います。

では、ドライブレコーダーでどの程度の事故をカバーできるのでしょうか。

事故の類型でみると、自動車事故の4割は追突事故なんですね。
交通事故件数を事故類型別にみると、追突(構成率36.2%)と出会い頭衝突(同24.5%)で全体の6割を占め るのを始め、車両相互事故が8割以上(同86.8%)を占めている。
平成26年中の交通事故の発生状況
- 警視庁 -

追突の次に多いのが出会い頭の事故ということです。まあ、感覚的にはフロントカメラのみで事故の半分くらいはカバーできるんじゃないかと。当然カメラの画角に入らない真横や後方は映りませんが、速度などがわかれば何らかの役に立つのかもしれません。

それでは、ドライブレコーダーの選び方としてどこをチェックすればよいのかみていきましょう。

02.解像度
カメラで撮影するわけですから、画質は最も重要な要素です。万が一の時に証拠映像として使いたいので、映り込んだ車のナンバープレートが読み取れる画質がほしいです。

昼間であれば、フルハイビジョン(1,920 x 1,080)のサイズがあれば問題なさそうです。1920ピクセル x 1080 ピクセル = 2,073,600で、つまり200万画素以上ということですね。ただし、カメラの画素数と映像として記録できる最大解像度が必ずしも一致するとは限らないようです。「200万画素」で残せるのは静止画だけで、動画の解像度は落ちるという製品もありますね。大手はほぼ問題ないと思いますが。

03.フレームレート
フレームレートとは1秒間に撮影できるコマ数のことで、単位は「FPS(Frames Per Second)」です。現在の主流は30FPS程度ですが、普通に映像を見るぶんにはこれで十分かと思います。

ただし、俗にいう「LED信号機の消失問題」には注意する必要があります。これはフリッカー現象と呼ばれる現象です。
LED信号機は、電力が50Hzの東日本地域では毎秒50回(または100回)、60Hzの西日本地域では毎秒60回(または120回)も点滅しているんです。つまりは1秒間の半分は「滅(点灯されない)」の状態なんです。
ドライブレコーダーの主な機能・用語説明
- Autobacs -

一般的なドライブレコーダーのフレームレートは30FPSなので、60Hzの西日本地域ではLED信号機が消えているタイミングと撮影のコマのタイミングが同期してしまい、下記の動画のように、肉眼では点灯して見える信号が消えているように映るということです。


50Hzと60Hz、昔の家電製品には切り替えスイッチが付いてましたよねえというと年齢がバレますが、もちろん今でもあるんですよね。機器側で自動的に切り替えているだけで。

で、出会い頭の事故などで肝心の信号機がしっかり映っていないと証拠として弱いので、最近は「西日本地域対応!」ということで、フレームレートを45FPSや27.5FPSなどにズラした機種もあるようです。

04.WDR / HDR
ドラレコに限らずカメラというものは、明暗差の激しい場面で明るい部分と暗い部分を同時に撮影するのが極めて難しいのです。例えば晴天下で空と木陰を入れて撮ろうとすると、明るさを木陰に合わせると空が真っ白くなってしまい(白飛び)、逆に明るさを空に合わせると木陰が暗くなってしまう(黒潰れ)のです。これを解消するのがWDR(Wide Dynamic Range)またはHDR(High Dynamic Range)と呼ばれる機能です。ソフトウェアで明暗差を調整するんですね。スマホやデジカメにもついていますし、人間の脳にも凄く性能のよいHDRが実装されているそうです。

サンプル動画がこちら。右側がHDRありですね。


うーむ、ちょっと微妙な気がしますが、HDR機能がある方が照明の白飛びが抑えられているようです。

05.画角
画角とは、カメラが映すことができる範囲で、視野角ともよばれます。画角が水平120度であれば、中心から左右120度まで撮影できるということですね。
「対角」は撮影できる範囲の対角線を示しております。
(水平・垂直は)ドライブレコーダーのレンズからみて水平・垂直の角度を表わしています。
ドライブレコーダーの画角、「対角」「水平」「垂直」について。
- Elecom -

広い範囲をサポート!
・視野角 対角160°
・最大記録画角:対角137°(水平130°、垂直66°)
視野角が広いので、広範囲の映像が記録できます。
ユピテル DRY-WiFi40c
- ユピテル -

うーん、対角160度をうたっておきながら最大記録画角137度というのがよくわかりません。

こちらに水平画角130度と107度の比較動画がありました。

当然130度の方が広い範囲が映っているのですが、周辺の歪みも大きいですね。それほど大きな違いはないような気がします。

06.GPS
ドライブレコーダーにGPSが搭載されていれば、動画と同時に位置情報を記録できます。位置情報が記録できるということは、緯度と経度だけでなく、速度も記録できるということですね。事故の際には、速度の記録があるかないかは大きな違いでしょう。

07.常時録画・加速度センサー
アクセサリー電源またはシガー電源に接続し、エンジンオンと同時に録画が開始される常時録画機能はほぼ当たり前です。また、常時録画の場合、動画は1ファイルあたり3〜5分程度に分割して記録され、記録容量が一杯になると古いファイルから順に削除されて新しいファイルが上書きされます。

また、Gセンサーや加速度センサーと呼ばれる衝撃感知機能付きの機種の場合、衝撃や急発進、急停止や急ハンドルなどの動きを感知して記録した映像は削除されないよう自動的にロックされたり別のフォルダに記録されます。なお、加速度センサーの感度が調節できる機種もありますが、感度を低くしてもドアの開閉や踏切を渡る振動で記録されることもあるようです。

08.音声録音
ドライブレコーダーには、音声が記録できる機種があります。事故の際、クラクションやブレーキ音、ウインカーの音などを記録できますので、映像の証拠能力を補完することができます。

09.駐車録画
駐車時のいたずらや当て逃げ対策として駐車録画機能を備えた機種がありますが、課題は電源です。エンジン停止の状態で際限なく録画を続ければ当然車両のバッテリーが上がります。解決策としては、ひとつがドライブレコーダー本体に内蔵されたバッテリーを用いる方法と、もうひとつは常時電源用ケーブルを接続する方法があります。

私が調べた限りではどちらも一長一短という感じですね。内蔵バッテリーは30分程度しか使えず、後述する熱膨張のリスクもあります。一方、常時電源ケーブルを接続できる機種の場合、車両のバッテリーの電圧が設定値まで下がると自動的に電源をカットする機能がついていますが、多かれ少なかれバッテリーに負担をかけるのではないかと。
基本的に「ドライブレコーダー」はドライブ(運転)している時の事実を残すことを目的としています
駐車録画についての考察
- ドライブレコーダーまとめWiki

動体検知による録画開始機能もありますが、動くものは人間だろうと動物だろうと木の葉の揺れだろうとなんでも反応しますので、どうなんでしょうね。モーションセンサーの感度にもよりますが、日照の変化による影の動きにすら反応することがある(ソースは俺)ので、期待しているような効果が得られるかはちょっと疑問です。

10.電波干渉対策
ドライブレコーダーも電子機器なので、電波を発します。専門的には、電磁ノイズとか、不要輻射とか、スプリアスとか呼ぶそうです。適切な電波干渉対策がなされていない製品では、カーナビのGPSの測位不良、ETCやレーダー探知機の誤動作、テレビやラジオの受信障害など、実に様々な症状を引き起こすようです。

電子機器の電波障害対策については、日本のVCCI、欧州のCE、米国のFCCといった規格で規定されています。VCCIやFCCにはクラスA/Bという区分がありますが、より厳しいクラスBに準拠していれば吉ですね。

11.動作温度
夏の炎天下に駐車中の車内がとても暑くなるのは周知の事実ですが、具体的に何度まで上がるのでしょうか。
サンシェード対策や窓開け対策をしていても温度抑制効果は低く、人や動物が耐えられない温度となり、車内温度の上昇を防ぐことはできない。
JAFユーザーテスト 車内温度 - 夏
- JAF -

なんと、外気温35度でサンシェードなどの対策をしない場合、社内の気温は50度、ダッシュボード上は79度にも達するそうです。これは熱過ぎる!

で、ドライブレコーダーはこの高温に耐えられるのかというと、やはり夏場のトラブルの例は探せばいくらでも出てきます。

例えば、国産有名メーカーで動作温度が−10℃から+60℃の製品の注意書きにはこう記されています。

「必ず定格電圧、温度の条件下で使用してください。」

うーん、どうすればいいんでしょうかね。ルームミラーの横に取り付けたドラレコの温度は、真夏の日中は60℃なんて簡単に超えてしまいそうですよね。動作温度が最高70℃や75℃という機種がありますので、そういったものを選ぶしかないですかね。

なお、ドラレコのデータストレージとして一般的に使用されるマイクロSDカードの耐熱性も気になりますが、多くのメーカーの製品は動作温度が-25℃から85℃となっていますので、ノーブランドの激安バルク品とかでなければ問題はなさそうです。

12.Wi-Fi
誰ですか「ウィーフィー」って読んだ人は。「ワイ-ファイ」ですね。本体にWi-Fi機能が付いていて、スマートフォンなどに映像を転送できる機種が出てきました。これは普通のカメラでも同じなんですが「仕事!家事!育児!に忙殺されて記録メディアを抜き差ししてPCの前に座って転送する時間なんてねーよ」という私のような人間には重宝しそうです。ただ、動画ファイルのスマホへの転送にかかる時間は気になりますね。新しいファイルだけ転送するといった機能は当然ついているんだろうとは思いますが。

13.デザイン
様々なデザインの製品がありますが、大きくは普通の「カメラタイプ」か「ルームミラータイプ」かと、液晶画面が付いているかどうかですね。

ルームミラータイプは、ルームミラーの上にかぶせて取り付けるので、運転中に目線のジャマになりにくいというメリットがあります。ただし、車両のルームミラーの防眩機能が使えなくなる、ミラーを動かすと画角が変わる、ルームミラーの支持部がドラレコの重みに耐えられない可能性がある(少なくとも車両はそのように設計されていない)などのデメリットもあります。ですので、特段の事情がなければ、通常のカメラ型を選んでおけばいいのではないでしょうか。

また、液晶モニターは「その場ですぐに確認できること」がやはりいいですね。また、画面を見ながら画角の調整ができる点も大きいです。

14.運転支援機能
最近のドラレコには、映像の記録だけではなく、車線逸脱警告機能や、前方衝突防止警告機能までついているものがあるんですね!
前の車がスタートしたのを画面とブザー音でお知らせ!

車線からのはみ出しをお知らせ!

前の車との接近をお知らせ!
ユピテル DRY-AS400WGd
- ユピテル -

すげー!!これは画期的!!
スバルのアイサイトいらないじゃん!!
レーンキープアシストは、車両のウインカーと連動していないため、車線変更時にもお知らせを行います。
レーンキープアシスト機能(DRY-AS400WGd)
- ユピテル -

あ、はい・・・

まあそりゃそうですよね。

でも、車線変更する度にアラートが出ていたら「狼少年効果」でいざという時に役に立たないかもしれませんね。運転支援機能、個人的には試してみたいのですが、正直2万円そこそこのドライブレコーダーの、しかもオマケ的な附属機能がどれだけ使えるものなのかは疑問です。

以上です!

いやー、長かったですね。

ドライブレコーダーって機能の要素が多すぎて何が何やらという感じですが、1年後にはここで書いたことがどの機種にも全部実装されていて記事の価値がゼロになるなんてことになるのでしょうか。

ちょっとあまりにも長いので、一旦切ります。次回はどんなメーカーのどんな製品があるのか見ていきますよ、たぶん。

ドライブレコーダーの選び方についたちょっと本気で調べてみた(その2 メーカー編)