みなさまこんにちは。

3歳次男「お父ちゃん、なんちゃい(何歳)?」
私「○○歳(実年齢)だよ。もうすぐ○×歳だよ。」
3歳次男「ハハッ、赤ちゃんじゃん!!」
私「・・・あんたに言われたかねーな・・・」

さて、前回のエントリーでは、日欧のスライドドア車事情についてご紹介しましたが、そもそもはゴルフトゥーランの試乗から帰ったらステップワゴンがあったという話だったのでした。
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これは姉一家の新車なのですが、「8人乗りに買い換えた」というので何かと思っていたらステップワゴンだったんですね。前車は同じホンダのストリームでしたので、ホンダ党なんですかね。

今回は時間がなくまとまった試乗はできなかったのですが、姉の話を聞きながらいろいろと興味深いことがわかりました。なおご参考までに、購入価格は下取りなしの諸費用込みで300万円ということでした。グレードはよくわかりませんが、スチールホイールなので下の方なのかと思います。
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デカい。デカいです。サイズは全長4.7m、全幅1.69m、全高1.85mです。これで5ナンバーなんですね。輸入車だとプジョー208なんかのBセグでも車幅1.7m超の3ナンバーが当たり前になりましたので、ちょっと不思議な感覚です。

運転席に座ってみます。
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うわっ。

なんだろうこの違和感。着座位置が高いのはあまり気になりません。しかし、座った瞬間に「あ、これはイカん。」と感じます。なんというか、自動車の運転席に座っている気がしません。まったく落ち着かない。

着座位置が高いから?いや、アルファードやキャラバンコーチなんてステップワゴンよりよほど高いけど、座った感じは普通だったよな・・・

この感じは3年前に北海道で乗った先代オデッセイの感覚に似ているな。ホンダだから?いや、だいぶ前に運転席に座ってみたヴェゼルは普通だったような気が・・・

いやいやこれは姉の新車だ。「姉ちゃん、なんかこれおかしくない?」なんて聞くことはもちろんできない。あまつさえ、怪訝な表情を伺わせることさえ許されない。何事もなかったかのように運転席を降りるのだ・・・ポーカーフェイス、ポーカーフェイス。

さて、ステップワゴンの運転席での違和感をに釈然としなかった私は、後日その理由を探るべく、ホンダの青山本社に1人乗り込んだのでした。

まあ、会社が近いので1Fのショールームに行っただけなんですけど。ここならスタッフに声をかけられることもありませんからね。それでは展示車両の運転席に片っ端から座ってみます。

ジェイド。普通だ。中国向けなんていわれているけど、座った限りでは何も違和感は感じない。
ヴェゼル。うん。これも普通。
グレイスってフィットのセダン?まあ普通だな。
レジェンド。ステアリングのグリップがやけに細いけど、座った感じは普通。
フィット。座席は小さいけど、普通。

そしてステップワゴン。運転席に座ってみる。

あーーーーー、座席、ちっさ。

わかった。わかりました。これはきっと、1,695mmという車幅で前席ウォークスルーを実現するためと、室内を広く感じさせるために、座席のサイズを小さくしてあるんですね。だから背もたれも座面も平板でサポート感がないんです。

座席を小さくする代わりにユーティリティは格段に向上するわけです。どちらを選ぶかは価値観の問題であって、それが一概にダメとは言わないけど、長時間運転する人にとっては気の毒だなあ・・・

でも国内ミニバン市場で競争するには、こういう作りにするしかないんでしょうね。マツダがプレマシー、ビアンテ、MPVの生産を終了してミニバンから撤退するという報道がありましたが、その理由がよくわかります。

ステップワゴンの話を続けましょう。

内装を見回してみます。2015年に発売された車とは思えないくらい、なんというか、少しレトロな雰囲気ですね。姉の車なのであまり批判めいたことは言いたくないのですが、なんでしょうね。

凹凸や段差が多く、面のスムーズ感に欠ける造形であることと、ドアハンドルなどのディテールが太めで甘ったるい感じだからですかね。あとは、目の粗いダークブラウンのシート生地もぼんやりとした印象を与えているのかもしれません。

内装の質感は欧州車のBセグ車の方が数段いいですね。デザインについても、欧州車のそれを見慣れてしまうと、どうもいただけません。

右側の電動スライドドアを開けて2列目に乗り込みます。なお、左スライドドアは電動が標準装備ですが、右側はオプションだそうです。

とにかく広い。広大です。運転席を身長163cmの私のポジションに合わせると、2列目は余裕で脚が組めるほどの広さです。フロアも完全にフラットですね。やけに小さいけれど、シートバックテーブルもついています。
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子供を乗せるときはスライドドアから2人で入り、子供を座らせてから親はウォークスルーで運転席へ。スライドドアを1回開閉するだけで済んでしまうので、特に雨の日は便利なのだそうです。なるほどね。

3列目も大人がまともに座れます。2列目を少し前にスライドさせれば、身長173cmの私の脚をピンと伸ばすことすらできます。3列目を大人が常用するのであれば、やはりこのくらいの広さはほしいですね。
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そしてこちらが話題の「わくわくゲート」。リアゲートの中央がヒンジになっていて、ゲートの左半分が左から開きます。わくわくゲートを閉じれば、通常通り下から縦に開くこともできます。
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このわくわくゲートによって、リアゲートから3列目へのアクセスが劇的に改善するわけですね。3列目左側シートを格納すれば、2列目を畳まなくても3列目に乗れます。ちゃんと汚れ防止のマットもついていますね。車高が高いので、身長180cmの私でも楽に乗り降りできます。
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わくわくゲートがあればちょっとした荷物はサッと積み出せるので、普通のリアゲートを使う頻度は少なくなりそうですね。全高1.8mの車のリアゲートを開閉するのは大変ですし、背後のスペースも必要ですからね。
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なにっ、それならルノー・カングーやミニ・クラブマンみたいな普通の観音開きでよかったんじゃないのって?

まあ確かにそうですね。なぜわざわざこんな複雑な機構を作ったんでしょうね。「カラクリ感」の演出ということなんですかね?まあでも、歩道側からの乗り降りがしやすいというメリットはあるみたいです。

いやー、やっぱりなんだかんだいって国産ミニバンはよく考えられているなあ。でもゴルフトゥーランに試乗した直後にステップワゴンを見ると、その設計思想の違いにたまげますね。同じミニバンで括られるとはいえ、東のステップと西のトゥーランはまったく別の乗り物です。徹底的に利便性を磨くか、あくまでも自動車は運動性能が高くてナンボと考えるか、消費者が求めるものがあまりにも違うということですね。

なんてことを考えながら、車を囲んで立ち話を続けていると、姉の小学4年生の長男が「ねえねえ何してるの〜?」とやってくるわけです。そしてすぐあとからうちの3歳の次男が追いかけてきて、車の周りをちょこまかと走り回ります。

小学4年生にもなると楽チンですね。自分でパワースライドドアを開けて「ほらここに座るんだよ」なんて言いながら2列目に座ってみせて、すぐに立ち上がって反対側から降りていきます。3歳次男も4年生のお兄さんを追いかけます。

姉「この車、屋根はどうやって掃除したらいいのかな。」
私「足場が横長の脚立を買うしかないんじゃない?つーかどうせ下からは見えないんだから、掃除しなくてもいいんじゃない?」

10歳と3歳がステップワゴンの周りをうろちょろちょこまか行ったり来たり。10歳が追いかけられていると思えば逆に3歳が追いかけられていたり。微笑ましいですね。

姉「今度これで福井まで行くのよ。」
私「へーそりゃすごいね。(マジかよお尻壊れちゃうな・・・)」

そして3歳児が自分でスライドドアを開けて乗り込んでから2列目の座席によじ登り、楽しそうに笑っています。

姉「お義父さんの関係で永平寺をお参りしてそのあと岐阜に・・・」

ん・・・・・・!?

えっ!!

ちょっ、これ、3歳児が自分で開けられちゃうの!?

こわっ。こっわっ。

次男はこれまでに車のドアを自分で開けた経験はありません。そもそもうちのプジョー308SWのドアは、幼児が開けられるような軽さではありません。

でもよく考えたら電動スライドドアだと簡単ですね。3歳児の力でも、外からドアノブを手前に引くだけで、ドアは自動でスーッと開いていきます。

パワースライドドアは、外側のノブを引いて開閉しますので、開けられるということは閉められるということです。開けるのはともかく、子供が勝手に閉めちゃうのはちょっと怖いですね。

うーん、電動スライドドア、便利便利と思っていたけど、小さい子供がいる時は要注意だなあ。

ということで、たまに日本車を見てみるのも興味深いですね。今回は以上です。