みなさまこんにちは。

今年は2年に1度の東京モーターショーの開催年。今回は最終日の11月5日に行くことができました。前回の2015年は双子男児が2歳と小さかったこともあり不参加で、2013年以来4年振り参加となりました。

今回は、開催前から参加企業の少なさが話題となっていました。米国勢は日本撤退済みのフォードはもちろん、GMやFCA(ジープ、クライスラー)が不参加。欧州勢もMINI、ジャガー・ランドローバー、フィアット、アルファロメオなど、日本でもお馴染みのブランドが不参加となりました。

このような状況をもって、東京モーターショーは「衰退した」とか「手抜きだらけ」といった報道が目につきました。
会場の印象を一言で言えば、「究極のコストダウンショー」。ブースのつくりからコンセプトカーをはじめとする出品内容まで、何もかもが安普請なのである。
手抜きだらけの東京モーターショー、楽しませる気概はどこへ
- ダイヤモンド - 2017/10/30

東京ビッグサイトは日本最大のコンベンションセンターだが、グローバル視点では世界の何番目ぐらいの展示面積だろう。多くの人が幕張メッセの方が大きいと思っているが、幕張は7.2万平方メートルで国内2番目。その事実に驚くが、世界の30位いや50位にも入らないと聞くと信じられないという表情になる。
東京モーターショーはこのままだとヤバい。プロが感じた「限界」
- MAG2NEWS - 2017/11/10


世界の自動車マーケットにおける日本のプレゼンスが相対的に低下しつつあり、一部のメーカーにとっては東京で費用を投じることの意義が見出しにくくなっていることは間違いないと思います。しかし、出展企業が減っている理由をより掘り下げてみると、その背景には「自動車ショーの多様化・多量化」や、「展示会という広告宣伝手法の陳腐化」といった要因が見えてきます。
主要自動車メーカーがすべて出そろうのはスイス・ジュネーブショーくらい。アメリカのデトロイトショーやドイツのフランクフルトショーですら出展を辞退する自動車メーカーも存在する。
東京モーターショーは本当に衰退したのか
- 東洋経済 - 2011/11/7


世界的に自動車関連ショーが増えており、さらに家電見本市などへの参加も活発になってきているため、主要メーカーが参加しないショーも増えています。
フランクフルト参加を見送ったのは日産と三菱自動車だけではない。GMやFCA、プジョー、DS、ボルボもいなかった。世界屈指のモーターショーであるはずのフランクフルトでも、世界中の主要メーカーすべてが顔を並べることはない。実は、それが最近のモーターショーの“常識”となっているのだ。
日産と三菱が「EV祭り」フランクフルトショー欠席の理由
- ダイヤモンド - 2017/9/22


かつては、展示会は一度に大量の情報収集ができる貴重な場でしたが、現代は誰でもネットでかなりの情報を集められるようになっていて、ショー自体の重要性が低下しています。
In the past, auto shows were a perfect opportunity for customers to cross-shop various models at one time, as a wide range of brands showcased the latest product lineup within a relatively small proximity to each other.
Nine automakers to skip 2017 Frankfurt motor show
- Autoweek - 2017/4/6


東京モーターショーが「世界中の自動車が一堂に会する」場ではなくなりつつあることは確かですが、それでもやはり普段なかなか目にすることのないメーカーの様々なモデルに接することができるのは楽しいものです。

まあ、私はフランス勢に参加し続けてもらえれば特に不満はありませんけどね。
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さて、前置きが長くなりましたが、2017年東京モーターショーの会場をぐるっと一巡りして参りましたので、まずはフランス勢から。

プジョーの目玉は2代目5008ですね。
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2列目は3座独立式なので大人も座れます。室内の広さはSUVならではですね。
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美しいお姉さんがカメラの放列を浴びるそのすぐ後ろで、3人の子どもたちが運転席に乗り込んで計器類を好き放題にいじりまくっているのは、何か申し訳ない気持ちになりました。
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プジョーブースの隣には初出展のDS。メインはDS 7 Crossbackです。マイナーチェンジ前のDS 3、4、5のいずれもが以前はシトロエンブランドだったため、事実上のDSブランド1号車となります。先行発売の40台が10月に発売済みです。
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ダイヤモンドをあしらったデザインがいたるところに。
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インナードアハンドルはPSAの各モデルで使われているもののようですが、パワーウインドウスイッチは専用品。
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コックピットも眩しいほどにキラキラしています。正直どぎつい印象は否定できませんが、世界の名だたる強豪プレミアムブランドと比べて埋没しないことを考慮した結果なのでしょう。
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後部座席のエアコン送風口もしっかりデザインされています。
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さて、気になる価格ですが、先行発売の 「ラ・プルミエール」は、お値段なんと589万円(消費税別)!!

これにパノラミックグラスルーフとナイトビジョンをつけると637万円を超えるという、最近のフランス車では見たことのないような価格設定です。

さて、DS 7クロスバックは日本や世界で成功するでしょうか。「シトロエンDS」の時代から引き継いだ車種が古くなって販売台数が右肩下がりのDSにとって、DS7は必ず売れてもらわなければ困るモデルです。

そのためには、内外装のデザインやハイテク装備に加え、プレミアムブランドに違わぬ運動性能や動的質感が確保されていることが重要なのでしょう。かつてのDSがそうであったように「きれいな衣装をまとってはいるが、本質的にはシトロエン車である」と評されないことを祈るばかりです。

続いてシトロエン。シトロエンは今回は西棟のオープンスペースに展示されておりました。

新型シトロエンC3。
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キュートなプロポーションですね。DSの次にこれを見るとなんかホッとします。
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フロントにはピュアテックマークがついていました。
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帰宅してから写真を見て気づきましたが、ちょっとだけズーイー・デシャネルっぽいお姉さんが、両手で「C3」をしてますね。
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そしてフランス勢最後はルノー。メガーヌGTです。これのエステートなんかかなりいいと思いますが、ACCつかないんですよね。
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メガーヌR.S.。
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さて、東京モーターショーには部品会社も多数出展していますが、部品会社はノベルティを配ったり体験コーナーを設けている企業が多く、車に興味のない女の子でも楽しめる内容です。特にニッパツの「バネ」は子供達に大人気。
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窓の部分的な汚れに反応するワイパー。運転席側に鳥のフンがついたら片側だけ拭き取ります。
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磁力体験。
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最近の車のエンブレムってコストダウンで薄っぺらいのかと思っていましたが、立体的で金属メッキを使う通常のエンブレムはミリ波レーダーの電波を通さないので使えないんですって。なるほど。
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いやー、勉強になります!さて、フランス車以外も見ていきましょう。

マツダ・カイコンセプト。美しい。子連れでなければ10分くらい眺めていたかった。
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プレマシーやMPVの実質的な後継とされる3列シートのCX-8。海外専用のCX-9をベースに縮小したということなのですが、ちょっと上背の高いヒョロッとしたプロポーションなんですよね。コスパはかなりよさそうなんですけど、どうなんでしょう。
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ボルボXC60。
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三菱ふそう。
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ハーレーの普通免許で乗れる3輪バイク。
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いやー、いいですね。楽しいですね。しかし、会場入りして4時間が過ぎてそろそろ子どもも大人たちも疲れてきました。なかなか全てのメーカーは見られませんね。

それでも、様々なメーカーの多彩なモデルに直接触れられるモーターショーはいいものです。特に、新しい量産車や実現性の高いリアリティのあるコンセプトカーには心踊らされます。

一方で、国産メーカーの目を覆いたくなるようなデザインのコンセプトカーは、一体全体誰得なのでしょうか。ああいうのを見てワクワクする人がいるんでしょうか。やはり市販間近のクラウンコンセプトなんかの方が人だかりもできていたような気がします。

まあ、あの日本メーカー独特のオリジナリティを楽しみにしている海外メディア関係者も一部にはいるらしいので、一概にダメとは言えないのですが。
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すっごい疲れますけど、やはりいいですね。モーターショー。大きくなって仕事が暇になったら海外のモーターショーにも行ってみたいものです。