みなさまこんにちは。

さて、我が家の双子男児もいよいよ2019年の春から小学校に上がり、小3長女とも含めて子供たちはみな小学生になりました。長女時代から合わせて8年以上通った保育園に足を向けることもなくなるなんて、感慨深いものがありますね。

こんなちっちゃかった双子も、もう小学生ですからね・・・
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双子次男が産まれると同時に乗り換えた我が2012年式プジョー308SWも登録から7年の車検の時期を迎え、工場に預けられて行きました。今回は代車のお話です。

売れに売れてるプジョー5008
今回の車検の代車はこちら。プジョー5008です。
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プジョー5008といえば、姉妹車の3008と並び近年のPSAの復活を象徴するモデルです。世界的なSUVの流行の波に乗り順調に販売を伸ばし、2018年の世界販売台数は3008が265,125台、5008が109,900台で、プジョーブランド175万台の2割強を占める稼ぎ頭になっています。

欧州では3008の2018年の販売台数は202,389台で、ミッドサイズSUVでは日産キャシュカイの229,382台、フォルクスワーゲン・ティグアンの213,215台に次ぐ3位でした。しかし、3008のロングボディ版である5008の78,832台を足すと281,221台となり、これはキャシュカイに事実上の姉妹車であるX-Trailの48,133台を合わせた277,515台を上回るのです。つまり、3008/5008は欧州で2018年に最も売れたSUVだと言っても差し支えないわけです。(登録台数の出典はhttp://carsalesbase.com/

5008の好調なセールスの大きな要因がデザインにあることは間違いありません。牙を剥いた獅子のように精悍なフロントマスクに加え、ドアサイドモールやルーフ後端のデザインを工夫することで、ボディの大きなSUVながら、ライバルのようにぼってりとメタボな印象はありません。「ガタイはいいが、デブではない」という印象を与えることに成功していると思います。

申し分のない使い勝手
内装はi-Cockpitで小径ステアリングの上からメーターを覗き込むスタイル。この未来感は他のすべてのライバルを時代の遥か後方に押しやるパワーがあります。PSA界隈ではお馴染みですが、これに慣れると他車が古臭く見えてしまいます。
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5008のi-Cockpit。上端がカットされたステアリングホイールにメーターが隠れることはありません。

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クッションが硬めのフロントシート。中央がくびれて両サイドが盛り上がっていますが、これが意外に気持ちいい。

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シャープな二段構えのダッシュボード。グレーのファブリックと茶色のステッチがお洒落。この部分、割と好きです。

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家族持ちにはうれしいサンルーフ。シェードはプジョー2008などのような白い半透過ではなく、黒い「弱透過」。意地でも透けさせてやろうという拘りを感じます。

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やたら「暑い」と主張する子供達に必須の後席用のエアコンレジスタ。風量調節も可能です。

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もう一つの重要装備。後席用サンシェード。

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格納式のサードシート。取り外して荷室容量を拡大することも可能です。

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足元ひろびろの後部座席。センタートンネルのないフラットフロアもうれしい。

ぶ厚いトルクにしなやかな乗り心地
ご覧の通り、プジョー5008のユーティリティはピープルムーバーとして大変優秀だと思いますが、走りの方はどうでしょう。2.0リッターBlue HDiディーゼルのスロットルペダルを踏み込むと、「ガオォーン!!」という獅子の咆哮のような野太いエンジン音とともに、シートに背中が押し付けられるような強烈な加速がもたらされます。

うぉーっ、これは速い!!

車重1,650kgに対して177馬力というスペックだけを見れば役不足とも思えますが、2,000回転で生まれる400Nmというトルクで、5人家族フル乗車+荷物を満載しても力不足は全く感じません。ディーゼルエンジンは高回転域が伸びないといいますが、そこに到達するまでに免許証を失う速度に到達してしまいます。

また、エンジンの静粛性は以前乗ったシトロエンC4ピカソよりも間違いなく格段に向上しています。もう子供達から「トラックだ!」と言われる心配はありません。これはなかなか優秀なディーゼルエンジンなのではないでしょうか。

市街地での乗り心地も好印象。2013年にプジョー308とシトロエンC4ピカソでデビューしたEMP2プラットフォームは、5008ではさらに磨きがかかっているようです。舗装のツギハギや段差の多い路地を通り抜けても足回りがバタつくこともなく、しなやかな足さばきで路面の凹凸を軽くいなしてくれます。

乗り心地は見た目の鋭さとは裏腹に、全体的にゆったりとした雰囲気。上屋はそれなりにフワフワと揺すられるので、ペダルワークやステアリングさばきを工夫して乗員の頭を揺すらせない配慮が求められます。

低速で極めて軽いステアリングは、速度が増すにつれてしっかり感が生まれます。他の欧州車の例に違わず、速度が乗る時速60〜70kmあたりで気持ちよくなってくるセッティングです。

高速道路では、背の高さと脚の柔らかさゆえの上屋の揺れはあるものの、ステアリングの正確感が高いのでまったく不安はありません。特に直進からの切り始めには一切デッドな領域がなく、コーナリング中に橋脚があろうと路面のうねりがあろうと4輪はドッシリと路面を捉えて曲がっていくので、気持ちのよいコーナリングが楽しめます。これはなかなかいいですね。

上背のあるSUVなので路面に貼りつく感覚ではありませんが、BlueHDiディーゼルエンジンのピックアップの鋭さと柔らかいながらもしっかり芯のある「ふわしっかり」な乗り心地は、プジョー307あたりの懐かしい乗り味を思い起こさせます。

そして、世界最先端、とまではいかないものの、アダプティブクルーズコントロールにアクティブレーンディパーチャーウォーニング、ブラインドスポットモニタリングなどのADAS機能を駆使すれば、安全快適にクルーズすることができます。

カーブや勾配の多い首都高では、前走車がいる時はACCオンで追従、前方がクリアになったらACCオフで手動運転にすれば、コーナーにオーバースピードで突っ込む心配もなく、実に快適です。8速ATもなんら問題なし。「車としての素性はよいが機能で劣るフランス車」というイメージは完全に過去のものとなりました。

下の双子男児もいよいよ小学生になり、わが308SWT7では少し狭さを感じるようになってきました。5008の後部座席は大人にとっても頭上、足元ともに十分な空間が確保されていますから、大きくなっても問題になることはないでしょう。

床下に格納された3列目シートは必要な時にシングルアクションで引っ張り出すことができ、子供を短時間乗せるにはなんら不自由はありません。5人家族の我が家にとって、事あるごとに「ゴメンね満員なの」と言わなくてすむのは、家族の社交性を維持する上で大変有用です。

囲まれ感の強い未来的なコックピットに座り、センスの良いアンビエントライトに照らされながら夜の首都高を駆け抜ければ、とても7人乗りの大柄なボディを操っているとは思えない高揚感に浸ることができるのです。

なんか、5008、想像してたより全然いいな・・・

信号待ちから青に変わり、ブレーキペダルから足を離した瞬間にさりげなくエンジンが再始動する優秀なアイドリングストップ機能に感心しながら、そう思うのでした。

車検に預けられている我が308SWT7も、新車登録から8年目を迎えて乗り換えが視野に入る頃。

5008。これは買いか?買いなのか・・・?

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しかし、課題がないわけではありません。決して少なくはない気になる点がありました。

課題1:ステアリングフィール
まずは電動パワーステアリングの操作感。低速域では過剰なまでに軽くてフィールに乏しく、まるで操作感がありません。時速40km程度まではステアリングホイールを通じた路面とのコンタクト感がまったくないので、まるで死体を操作しているような感覚です。死体、触ったことありませんが、中高速域のフィールには大きな問題はないため、大変残念です。

これはスポーツモードに切り替えても同じことで、単にステアリングが重くなるだけで、フィールが生まれるわけではありません。

課題2:インフォテインメントシステムの誤訳
信じ難いことですが、2年前に乗ったシトロエンC4ピカソ(現C4スペースツアラー)のインフォテインメントシステムには、日本語の文字化けがありました。
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シトロエンC4ピカソのインフォテ。「読」や濁点・半濁点が「☒」に文字化けしています。

2017年3月発売のC4ピカソとくらべて2018年7月発売のプジョー5008(いずれもカーセンサー新車DBより)は1年半ほど新しいのですが、どうでしょうか。
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車両設定の画面で「ドライバーメッセージ」と書かれたアイコンをクリックすると、「ストレッチ」「ランバー」や「強」「弱」などの選択肢が表示され、さらにアイコンをクリックすると、運転席の背もたれがモゾモゾと動き出して、背中に心地よい刺激を与えてくれます。お、これは悪くないぞ。

つーか、「メッセージ」じゃなくて「マッサージ」じゃねえか・・・

もうね。バカかと。これは「フランス車なんてこんなもんだよね」と笑って誤魔化せるようなレベルではないんです。

つまり、車両開発のプロセスにおいて、翻訳作業が機能していないんです。翻訳を日本語ノンネイティブが行ったのか、ネイティブによるチェックがされていないのかは分かりませんが、いずれにせよ「Massage」が「メッセージ」と誤訳されるという単純ミスが、どういうわけか見逃されて出荷されているのです。

これ、「間違ってはいるけど画面を見れば分かるでしょう」というような問題ではないんです。だって、仮にADASの緊急動作に関わるような画面表示の日本語に間違いがあったらどうするんでしょうか。

表示の不具合によってドライバーの判断を誤らせるか遅れさせて事故につながったとなれば、PL法に関わりかねない大問題です。

それよりなにより、誤字脱字は単純にバカだと思われてしまいます。誤字脱字は誰にでも起こり得ますが、きちんと校正されていなければ頭が悪いと思われてしまうのです。これは誰がなんと言おうとそういうものなのです。そして、400万円も500万円も出して購入する車が「バカ」だったら、売る側には大変な損な話です。

だから、このような製品が本国から送られてきたら、日本法人は本社に対して猛烈に抗議しなければなりません。「ふざけるな。直してから持ってこい。直さないなら日本では1台も売らない。まともに翻訳もできないならできる体制を構築しろ。なぜならば命に関わる問題だからだ。」とキッパリと言わなければなりません。

簡単に解決できる問題が何年も放置されているのですから、それくらい言わないと伝わらないんだと思います。

課題3:ディーゼルエンジン
プジョー5008の2リッターターボディーゼル、よくできています。ディーゼルにしては望外に静かだし、トルクもぶ厚い。アクセルを踏み込むとエンジン音の裏でターボチャージャーが「ヒュイーン」とブースト音を奏でるのも爽快です。

しかし、そうはいってもディーゼルはディーゼル。静かになったとはいえ、あくまでも「ディーゼルとしては」であり、窓を開けて聞こえてくるエンジン音は、間違いなくディーゼルのそれです。

クルージング時にはまったく気にならないとはいえ、アクセルを踏めばディーゼルのガラガラ音を意識しないわけにはいかず、ガソリンエンジンで感じるようなエモーションには敵いません。

課題4:アダプティブクルーズコントロール
誰かがどこかで書いていましたが、ACCで気になる点があります。今回の試乗では日中夜間を含めて200km以上走り、ACCの動作自体にはまったく問題はありませんでした。

しかし、この車のACCはどうも一定速度で前車に追従するのが苦手なようです。同じ速度を維持しようとするとスロットルのオンとオフが繰り返されて、その度にはっきりそれと分かる前後Gでギクシャクするのです。ピカソの時にはまったく感じなかったのですが、ちょっとスロットルがピーキーなのかもしれません。

課題5:価格
プジョー5008GT BlueHDiディーゼルターボ、なかなかいい価格です。試乗車は、追加料金のパールホワイト、パノラミックサンルーフなどのファーストクラスパックに専用ナビが装備されています。これにメンテナンスパックベーシック、2年延長保証を追加すると約550万円。  いくらなんでも高すぎる気がしますね・・・

なお、1.6リッターガソリンのアリュールは同等の装備(ただしファブリックシート)で460万円程度です。こちらなら、まあありかもしれませんが、アリュールは6ATなんですよね。どうせなら8速の方がいいんですが、本国やUKではすでに6ATは消えていますので、近いうちに日本仕様のガソリンATも8速に切り替わるのかもしれません。
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大らかなセンターコンソールの組み付け。別にいいんですが、500万円という価格を考えると、ねえ。

課題6:SUVであること
そして最後の課題は、やはり「背の高いSUVであること」です。5008は普通の速度でクルージングしている分にはなんの問題もありませんし、多少のボディの揺すられ感はあるにせよ、おそらくSUVの中でもなかなか優秀な部類なんじゃないかと思います。

しかし、そうは言っても普通車よりも物理的に高い場所でハンドルを握っているので、路面からの距離の遠さを感じることは否めません。そして、高速コーナーの進入速度に油断すると、不意に強いアンダーステアに見舞われて「うわっ、曲がれない...?」と感じることもあったので、あまりスピードを出さない方がよさそうです。でも、ゆっくり走るならC4スペースツアラーでよくね?とも思ってしまいます。

この背の高い車を買う理由は一体なんでしょうか。高い車両価格と重い車重に余計なお金と燃料代を支払い、ドライバビリティの制限された車で得られるものは、室内と頭上の空間です。「この車を買うということは、この頭の上の空気に金を払うということなのだ・・・」プジョー5008を運転していると、頭上の斜め後ろあたりからそんな囁き声が聞こえてくるような気がするのです。

しかし、新車で7人乗りを選ぼうとするなら、いまやわが308SWT7のようなワゴンスタイルは存在せず、背の高いミニバンかSUVしか存在しないのも事実です。乗車人員を捨てるか、ドライバビリティを捨てるか・・・

いやー、どうしましょうかねえ。

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