みなさまこんにちは。

3月開催のジュネーブショーが近づいてきて、このブログもネタのバックログが溜まっていて嬉しいやら忙しいやら、です。

さて、BMWが2シリーズActive Tourer(アクティブツアラー)なる新モデルを発表いたしまして、本来は当ブログの範囲外のドイツ車ではありますが、輸入車ミニバンウォッチャーの私としても見過ごせないモデルですのでご紹介を。
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BMW 2シリーズActive Tourerは、なんとBMWブランド初のMPV(Multi-Purpose Vehicle)であり、ミニバンであり、何と何とFF、前輪駆動なのであります。

BMWといえばFR、FRといえばBMWと言われていたかどうかは知りませんが、「Freude am Fahren(駆け抜ける喜び)」を掲げる同社にとって、前輪で操舵し後輪を駆動するレイアウトは金科玉条のように守られてきた文法でした。なにせコンパクトなCセグハッチの1シリーズでさえ、後席が狭いと言われようと荷室が狭いと言われようと頑なにFRを採用したんですからね。

いまや圧倒的な多数派になったFFの制御技術が格段に向上し、少なくとも乗用車を公道で走らせる限りにおいてはFRとの差は著しく縮まったと言われて久しい21世紀においてなお、BMWはFRにこだわり続けていたわけです。

ところが、いよいよその方針を転換する時がやってまいりました。BMW 2シリーズActive Tourerは、BMW傘下のMINIのプラットフォームを使用した前輪駆動なのです。

2ちゃんねるあたりでは「【悲報】BMWがFFでミニバン市場に参入」なんて書かれそうですし、現に海外メディアでは2シリーズActive Tourerの登場を批判的に捉えるコラムも出てきています。

BMW’s Slow Death, the Final Nail: 2 Series Active Tourer(BMWの緩やかな死に向かって2シリーズATがとどめを刺す)
http://www.autoevolution.com/news/bmws-slow-death-the-final-nail-2-series-active-tourer-76947.html
- Auto Evolution -

そうはいってもですね、ブランドロイヤルティを大切にする高級車ブランドのBMWとて一民間企業なわけですから、ライバルの成功を指をくわえて傍観しているわけにはいかないのであります。はい。それはメルセデスベンツのBクラスのことですね。なんと、ドイツで最も売れているMPVはBクラスなのだそうです。

BMW 2 Series Active Tourer Is Revealed, Joins Premium MPV Segment (BMWが2シリーズATでプレミアムMPVセグメントに参入)
http://www.autoevolution.com/news/bmw-2-series-active-tourer-is-revealed-joins-premium-mpv-segment-photo-gallery-76918.html
- Auto Evolution -

ドイツではオペルMerivaでもなく、シトロエンPicassoでもなく、シュコダRoomstarでもなく、Bクラスが一番売れているそうなんです。1台で全てを賄うのにこれ程よい選択肢はないということです。そのBクラスと真っ向から勝負するために生まれたのが2シリーズActive Tourerというわけです。

前置きが長くなりましたが、詳細を見てみましょう。


3サイズは、全長4,342mm、全幅1,800mm、全高1,555mm(欧州仕様)。ホイールベースは2,670mmです。ちなみに、Bクラスは、全長4,359mm、全幅1,786mm、全高1,557mm(欧州仕様)。ほぼ同じサイズですね。

エンジンは3種類。ガソリンエンジンの218iが3気筒の1.5Lターボで136馬力。同じくガソリンの225iは2リッター4気筒ターボで231馬力というハイパワーを叩き出します。ディーゼルの218dは2リッター4気筒ターボで150馬力。トランスミッションは218iに6速MTか6速AT、225iと218dには6速MTか8速ATが組み合わされます。


エクステリア、インテリアともに、どこからどう見てもBMWです。




フランス車と比べるとかっちりしてるな〜。でもフランス車のMPVでは当たり前の後席窓のサンシェードやフロントシートバックのテーブルはないみたいです。私のプジョー308SWにもついていて、あれすごく便利なんですけどね。

さて、いくら初のFFとはいえ、そこはBMWですから、走りには相当期待できますよね。欧州ではミニバン最高のドライバビリティを誇るのはフォードのC-MAXと言われていますが、Active TourerがC-MAXを超えることができるのかが興味深いところです。

さて、なんとActive Tourerにはリアセクションを20cmほど延長したロングボディの7人乗りも計画されています。Grand Active Tourerとでも呼ぶんでしょうか。公式画像はまだ出ていないのですが、年内には発売となるようです。

ロング版は全長4.5m強ほどでしょうかね。室内全長をどれだけ取れるかにもよりますが、7人乗りがギリギリ成立するサイズですね。プジョー308SWの次期車両をいろいろ妄想している私にとっては、超朗報です。

価格はどうなるでしょうか?Bクラスのライバルですから、やはり同じような価格になるのでしょうね。Bクラスの日本仕様は299万円からですから、ガチンコ勝負の価格で日本に入ってくると面白いですね!

えー、ここでニュースが入ってきました。なんと2シリーズActive Tourerは2012年にデビューした韓国起亜のミニバンCarensにそっくりだというのです。Carensは2013年に発売されています。

写真はこちら。



うーん。確かに似ていますな。フロントマスクや側面のキャラクターの雰囲気までそっくり。くわえてイメージカラーも同じダークグレーですから、遠目に見たらほんとにそっくりですね。

ま、よくある話っちゃあよくある話で、同セグメントの競合車種はどうしても似たようなプロポーションになりますし、それに、起亜やその親会社の現代自動車のデザインはフォルクスワーゲンやBMWから引き抜かれたデザイナーが率いていますからね。

ともかく、賛否両論ありそうなBMW初の前輪駆動車、2シリーズActive Tourer、7人乗り輸入車ウォッチャーの私は、もちろんかなり注目しています!