みなさまこんにちは。

ちょっと前のことですが、休日を利用してとある場所にバーベキューに行ったところ・・・

私の308SWの隣に停まっているシルバーの206は、なんと私が以前乗っていた車両なのです!!
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うおーーーっ!!

まあ、偶然出くわしたわけではなくて、私が乗っていた206をお譲りした方も参加されたバーベキューだったのですが、前愛車に4年振りに再会したとあって、感慨深いものがありました。

2003年式206XS、走行60,000kmでほぼノートラブルだそうです。私が乗っていた頃と同じく、4速ATのAL4に若干のトラブル、つまりたまに1速が消えて2速発進になるという、AL4の不具合としては問題にもならないほど軽い症状を抱えてはいるものの、他にはさしたる問題もないということです。
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もっとも、現オーナーさんは電機系のエンジニアので、車の自己整備にも長けた方ということもあるのかもしれません。私が乗っている頃よりもキレイにしていただいているようで、なんとも嬉しい限りですね。

新型プジョー3008が発表された


さて本題です。突然といえば突然なのですが、プジョーのCセグメントクロスオーバーの2代目3008が発表されました。

初代プジョー3008は本国で2008年にデビューし、日本では2010年から発売されているのですが、日本ではほぼ鳴かず飛ばずの閑古鳥で、2015年にはたったの106台しか売れませんでした。同年に2,000台以上売れた姉妹車の308には遠く及ばず、数でいえばマイナーなRCZ(456台)や508(235台)よりも少ないという低迷っぷりです。(詳細は拙ブログのこちら

日本ではまったくというほど売れていない3008ですが、実は世界的にはまあまあ売れているのです。3008の2015年のグローバルの販売台数はおよそ14万台で、35万台の308や32万台の208には及ばないものの、プジョーブランドでは4位の販売実績となっています。プジョーの基幹車種の一翼を担っていると言ってよいかと思います。

競合ブランドとの比較では、クラスリーダーの日産キャシュカイが欧州で20万台ほど、フォルクスワーゲンティグアンが15万台ほど売れていますので、この辺りが直接のライバルとなりそうです。

で、このたびモデルチェンジを果たした2代目3008がこちら。


うわーっ、なんか厳つくなりましたね。

歌舞伎役者のまなじりのように吊り上がったLEDヘッドランプ、盤若の口元のように口角が大きく開いたフロントグリル、フロアから迫り出したアンダーガードなど、獰猛で力強いイメージです。

ロワーグリルからAピラーの付け根までを太い筆でぶわっと勢いよく描き上げたようなラインは、プジョー史上もっともパワフルなフロントマスクといえると思います。


プロポーションもノンジャンルなクロスオーバーだった先代とは打って変わって、シャープで力強さやスポーティネスを表現しているように見えます。先代の後期型がこれですからね。


側面もシャープで彫りの深いラインが多用されていて躍動感がありますね。


リアセクションはハッチの一部がブラックアウトされています。この手法は流行っていますね。ライオンの前足を模したといわれるコンビランプの「3本の爪」は健在ながら、最近のプジョーではあまり見られなかった水平基調の造形です。


いやー、これは賛否両論ありそうなデザインですが、なかなかいいんじゃないでしょうか。

褒めすぎでしょうか?

でも、新型3008のデザインを眺めていると、あれほどいかつくなったように見えた、先に発表された2008のフェイスリフトなんか「なんておとなしいんだろう」って感じなんですよね。


やっぱり、デザインというのはこうして進化していくんだなあと。新型3008、これはこれで非常に面白いデザインじゃないでしょうか。

えっ、「お前ちょっと前のブログで『プジョーのデザインの魅力って、プレーンで端正なところだと思っています。』って言ってたばかりだろう」って?

ははは、まあそうなんですけどね。

いや、この新型3008のようなコワモテフェイスがプジョーにおいて今後どのように展開されていくのかも楽しみだなあと思いまして。つまり、将来の308や508などの普通車はもっと落ち着いた雰囲気でいくのか、あるいは3008と同様に「猛獣系」になっていくのか。

新型3008は今後のプジョーブランドのデザインの方向性を示す指標になるのではないかと思うのです。

インテリアはもっとすごかった。


さて、新型プジョー3008の最大の目玉だと思っているのはインテリアです。それが、この新世代のi-Cockpitです。


これ市販車ですよ。まるでコンセプトカーがそのままリリースされたかのようなデザインです。

ステアリングホイールは上端と下端がフラットに加工された楕円形で、センターコンソールには8インチのタッチスクリーンが鎮座しています。


ピアノの鍵盤をモチーフにした「トグルスイッチ」。これがインフォテイメントシステムのメニューキーになっているようです。


なんかすごい形になったシフトノブ。


メータークラスターは12.3インチの液晶式。速度計や回転計だけでなくナビのルートなども表示されるのですが、これはもうグリグリ動きます。


このメーターを眺めていると、アウディの最新のバーチャルコックピットが古臭く見えるほどです。フランス人からしたら「あのね、余白が大事なもんで、画面いっぱいにどえりゃあでっかく表示すればええってもんでもないで〜」ということなのかもしれません。

新型プジョー3008のコックピットは、他のどのモデルの内装も一気に古典的に見えてしまうほど、パワフルでエポックメイキングなデザインだと思います。このi-Cockpitは市販車ではプジョー208と308が先行しているのですが、それを1段も2段も昇華させた印象です。

褒めすぎでしょうか?

まあでも「前衛的なデザインに驚かされるが、実用性には何の問題もない、よく考えられたデザインである。」という評価が下ることを願いたいですね。

パワートレインと安全装備


パワートレインや安全装備については、ド新規のモノはないようです。

プラットフォームはおなじみのEMP2。ガソリン車で1,325kgからという軽量化を実現しています。

エンジンについても最近のPSAのCセグ車と同様、ガソリンが3気筒1.2リッターPureTechと4気筒1.6リッターTHP、ディーゼルが1.6リッターと2リッターのBlueHDiが用意されるようです。安心のアイシン製6ATも装備されます。

安全装備については、先に発表されたシトロエンC4ピカソ後期型と同じように、一通りの機能が備わっています。

・Active Safety Brake(自動ブレーキ)
・Distance Alert(衝突警告)
・Active lane departure warning(車線逸脱防止)
・Driver attention warning(居眠り防止)
・Automatic adaptive headlamp(アダプティブヘッドライト)
・Speed limit sign recognition and recommendation(制限速度認識)
・Adaptive Cruise Control with Stop function(停止機能付きアダプティブクルコン)
・Active blind-spot monitoring(死角監視)
・Visio Park (360度全周モニター)
・Park Assist(駐車支援)

これは、現代のモトコンポや〜


プジョー3008と時を同じくしてこんなものが発表されました。電動スクーター「e-Kick」です。


e-Kickは電動キックボードなどを手がけるスイスのMicro Mobility Systems社との共同開発によるもので、2016年中に市販されるそうです。

重量は8.5kg。最高速度は時速25kmで航続可能距離は12kmだそうです。

下の画像を見るとプジョー3008のトランクルームにスタンドを置いて充電できるようです。もう少しスマートな収納方法がなかったのかなあと思わなくもありませんが。


なお、このe-Kickはモーターで自走するため、日本の道路交通法では「原動機付自転車」に分類されます。残念ながら国内の公道では使用できません。

ちなみに、ちょっと前に話題になった電動2輪車のセグウェイは、アメリカのほとんどの州とカナダ、フランス、イタリアなどでは公道走行可、イギリスは不可ということです。

7人乗りのロングボディも!!


そしてそして、新型プジョー3008にはロングボディの7人乗りが発売されるようです。

これはかねてから噂されていましたが、現在の5008はすでに廃止が決まっていて、この「3008ロング」に統一される模様です。


記事によると、全長はショートより15cmほど長い4.6mになるそうです。

この画像では、左の新3008とはフロントエンドから前ドアまではまったく同じ形で、リアセクションだけが引き伸ばされている印象です。ちょうど先に発表されたシトロエンC4ピカソ/グランドC4ピカソと同じような位置付けに見えます。

気になるネーミングですが、画像では青いロングボディのナンバープレートに「5008」と書かれているんですよね。

ショートが3008でロングが5008という別名称になるのか、正式には「グランド3008」や「3008XX」のようなエイリアスが与えられるのかはわかりませんが、ともかくセブンシーターが追加されるのは楽しみですね。



ということで、ざっと見てきた新型3008、内外装のデザインを見ていると、製品に込められたエネルギーの強さを感じます。

具体的にどこがどうというのは難しいのですが、全体的に目新しく、かといって消費者の嗜好を無視した独りよがりな印象でもなく、細部まで練り上げられていてやっつけ感がなさそうな感じです。

プジョーとしてもかなり気合いの入ったモデルなのではないでしょうか。もちろんクルマですから、乗って走ってナンボのもんではありますが、そこは最近のプジョーですからそれほど心配することはないのかと思います。

日本?

日本にも当然いずれは導入されるのでしょうが、さすがに1,841mmという車幅だと、数を売るのは厳しいかもしれませんね。

ともかく、最近のプジョーの勢いを強く感じる1台です。7人乗りが来たら絶対に試乗に行きますので、その節はよろしくお願い申し上げます。