みなさまこんにちは。

さて、我が愛車プジョー308SWの9年目車検を9か月後に控え絶賛代替え検討中の我が家ですが、先日試乗した新型メルセデス・ベンツGLB200dの、2回目の試乗に行ってまいりました。

前回は一般道を短時間乗っただけですが、やはり高速道路まで走らないと車の素性はなかなか理解できません。平日であれば高速道路の試乗もさせて頂けるということで、短い夏休みを利用して再度ディーラーを訪問したのです。コロナ禍と酷暑のダブルパンチで暇を持て余した子供達を連れて。

IMG_7147

さて、本日試乗させて頂くのも前回と同じGLB 200dの標準仕様車です。今日の目的は高速試乗。首都高大師ICから横羽線を下って大黒を回り、湾岸線を遡上して再び大師まで戻る、川崎一周ルートです。

早速試乗車に乗り込み、道路に出て左に車線変更しようとしたら、うっかり右側のレバーを上げてしまいました。この時普通の輸入車だとワイパーが哀しげに動いて車内が凍るのですが、GLBはステアリングコラムの右側にシフトレバーがあるので、なんとシフトがNに入ってしまうのです。輸入車に20年乗ってる私でもついやってしまうのですから、国産車から乗り換える方は特に注意が必要ですね。
IMG_7150

懐の深いシャシー性能に嘆息
気を取り直して高速道路に向かいます。

今回の試乗ルートである首都高横羽線のこの区間の開通は1968年と、日本で最も古い都市高速のひとつです。道幅は狭く舗装状態もイマイチなうえに橋脚が多いため走り難いことこの上ない。私が最も嫌いな道路の一つです。

そんな悪路ともいえる横羽線を、GLBはパタンパタンと橋脚の継ぎ目を乗り越えながら、実に快適にクルーズしていきます。リアの4リンクサスがいい働きをしているのか、大きめの段差を乗り越えてもリアのバタつき感が一切ないのです。これはなかなかの乗り心地。

GLBの全高は約1.7mで着座位置も高いため、普通車と比べて路面との距離を感じることは事実です。しかし、うねりの多い横羽線でもボディの上下動は少なく、背の高いSUVにありがちな腰高感はほとんど感じません。

ステアリング操作に対するボディロールの追従も極めて自然で、高速で強めにハンドルを切っても上屋が振り回される感じがなく、狙ったライン通りにグイグイと曲がってくれます。

ジャンクションでちょっと荒っぽい速度やハンドリングで揺さぶってみても、ボディの動きは終始安定していて、ブレークしそうな雰囲気もまったくありません。もちろんスポーツカーではありませんので、絶対的な限界性能はさほど高くはないのでしょうが、家族を乗せて普通にかっ飛ばすくらいなら、車側は「ほっほっほっ、お父さん頑張りますねえ。」と言わんばかりに極めて涼しい顔をしているのです。

このハンドリングとボディの一貫性の高い振る舞いや、シャシーの懐の深さにはいたく感心しました。今後登場するであろうAMGモデル、すなわち「なんとかライン」とかではないパフォーマンスモデルを想定したシャシー性能なのかもしれません。いやー、これはたまげたな。

最先端のADASに感心し切り
そして今回の試乗でじっくり試すことができた最新のADAS(運転支援システム)。結論を言うと、これも凄いです。

GLBのクルーズコントロールは「アクティブディスタンスアシスト・ディストロニック(自動再発進機能付)」という、「お前『dist(ance)』が被っとるやないか」と言いたくなるほど長い名称です。

それはそれとしてこのACC、ステアリング右側のトグルスイッチを押すとオンになって追従を開始し、前走車が停止すると停止します。パッケージオプションのカーナビと連動して自車位置を把握し、一般道では3秒、高速道路では30秒以内であれば自動的に再発進して設定速度まで再加速します。

一般道の3秒というのは結構厳しいルールですね。それでもブレーキを踏んでACCを解除するまではオンの状態が続くので、アクセルをポンと踏んで発進するだけで自動的に前走車への追従を再開します。

ここまでは2020年の今ではよくある機能なのですが、GLBのアクティブディスタンス…はこれだけではありません。GLBにはナビパッケージで「アクティブステアリングアシスト」も装備されます。これは、時速60km以上ではレーンキーピングアシストで認識した車線内を自動的に維持し、時速60km未満でもACC作動中であれば前走車を自動追尾するというものです。

どういうことかというと、例えば交差点が垂直に交差していなくて、交差点内で微妙にカーブしているところってありますよね。
IMG_7152

GLBのアクティブステアリングアシストでは、ACCで前車を追従している状態でこのような交差点に入ると、前走車を追いかけて自動的にハンドルを切って進んでくれるんですよ。時速60km未満では、車線ではなく前走車の方向も把握して着いて行くということです。

これ考え方としてはすごいですよね。前走車が交差点内でコースアウトして中央分離帯に突っ込んだら、後続の私も一緒に突っ込んでしまうという。もっとも、仮に前走車が衝突してあらぬ場所で停まったとしても、GLBは自動ブレーキで停まれるのですが。

それよりも、見ず知らずの前走車は、背後に自分に全幅の信頼を寄せる後続車が追尾していることなど知る由もないわけですから、もし知られてしまったら、「えっ、重っ」などと思われたりしないか心配です。

そして時速60km以上で作動するレーンキーピングアシストは、高速道路でよほど大きなカーブをオーバースピードで突っ込んだりしない限りは勝手に曲がってくれるという優れものです(ただしステアリングに手を添えている必要はあり)。

また、走行中にウインカーを出すだけで、周囲を走行する車両の車間を確認しながら自動的に車線変更してくれる「アクティブレーンチェンジングアシスト」も装備されていて、これらの機能を使いこなせば、高速道路でのヒヤリハットも相当減らせるんじゃなでしょうか。

GLBで首都高を流していると、とくにジャンクションを回ったりしている時にステアリングへのシステムの介入をよく感じますが、これは人によっては鬱陶しいと感じるかもしれません。しかし、慣れてしまえばおそらく手放せなくなるのではないでしょうか。

いやー、このADASはすごいなあ。極端な話、運転中にちょっとウトウトしたりよそ見をしたくらいでは、実質的な安全性はほとんど変わらないということですからね。

パワートレインも地味に優秀
GLBの先進的なADASに、いちいち「曲がったすごい!」とか「うわっ」とか感銘を受けながら高速道路を降りてふと思い出したのですが、これってディーゼルエンジンで、しかもDCTなんですよね。

試乗当日は午前中から気温が30度を超えるような8月の猛暑日でエアコンを強めにつけていたこともあったのですが、ディーゼル特有のエンジン音はまったく気になりませんでした。

DCTに至っては、数年前のフォルクスワーゲン車などでは低速時のギクシャク感が気になりましたが、GLBは、言われなければDCTとは気づかないであろうほど違和感がありません。お店の駐車場で車庫入れもしましたが、振動も音もステップATと何ら変わらないと感じました。人によっては「DCTの割にダイレクト感に欠ける」と感じるかもしれませんが、ギクシャクするより全然いいですよ。

メルセデス・ベンツGLB 200d。この操安性にこのADASにパワートレイン、ハッキリ言って良くできていて、これは只者ではないな…

気になるユーティリティと内装、そして価格…
しかし、完全無敵の7人乗りファミリーSUVと思われたGLBにも、気になる点がいくつかあります。

まずは5人家族にとって大切な2列目のユーティリティ。GLBの2列目は40:20:40で、中央はあくまでも補助席という位置づけです。我が家は現在ジュニアシート2台にブースター1台なのですが、2列目左右のISOFIXアンカーを使って正しい位置にシートをセットすると、中央のスペースはかなり狭くなります。
IMG_7134

これがわが先代プジョー308SWやプジョー5008など、3席独立式で同じサイズの場合、1席あたりのサイズは小さくなるものの、3席を同等に使うことができます。2列目にチャイルドシートやジュニアシートを3台設置しようとすると、GLBではちょっと厳しそうです。子供の1人が常に3列目を使う、ということでもいいかもしれませんが、毎回2列目を倒すのは面倒ですよね。

仕方ないので、ISOFIXは使わず、右端のシートを出来るだけ右側に寄せて、なんとか3つ収まりました。
IMG_7135

これでも真ん中のシートは中心から少しズレます。後ろから見ると、明らかに左にオフセットされていますね。何とかなりますが、あまり美しい使い方ではありません。
FullSizeRender
FullSizeRender

次に気になったのは内装のクオリティ。悪くはないんですけど、まあ普通なんですよね。私が試乗した標準仕様車は、ドアトリムやシート表皮に使われている合皮のソフトパッドもさほど高級感はありません。
FullSizeRender

触っていて一番気になったのはパワーウィンドウのスイッチ。質感と押した時のしっかり感でいえば、はっきり言って我が先代プジョー308SWの方が上です。
FullSizeRender

ただ、これはAMGパッケージをつけるとグレードアップされるらしいんですよ。シートもドアトリムもより上質な人工皮革仕様になり、ステアリングホイールも少しいいものになります。

下の画像はBクラスのAMGパッケージですが、ほぼ同じものになるそうです。
IMG_7143

いずれにせよ内装については、ダッシュボードやシートの造形然り、樹脂や合皮の素材感然り、ステッチの色遣い然り、アンビエントライトの照らし方然り、どこをとってもプジョーなどのフランス車とは比ぶべくもありません。欧州においては、パリがデザインセンスの中心地であり、パリから離れれば離れるほどアレになっていくのでしょう。

そして次に気になった点は、標準車のコンフォートサスペンションでの高速走行。大変乗り心地がよく、橋脚の継ぎ目もパタンパタンと軽くいなしてくれるのですが、高速ではボディが絶えずゆらゆらとしている感じで、正直なところもう少しフラットであってほしいと感じました。

我がプジョー 308SW(T7)は、バネは明らかにGLBよりも硬く、荒い路面を越えた時の衝撃と振動もより大きいですが、一方で振動の収束も早く、路面からの入力がドンッときても、瞬時にピタッと収まります。

一方のGLBは、路面からの入力がタンッときたら、いつまでもゆらゆらとボディの揺れが収まらない感じでした。振動の絶対量としては308SWの方が大きいものの、ボディのフラット感と快適性については設計の古い308SWに分があると感じました。

この点をセールス氏に指摘したところ、オプションのAMGラインパッケージに装着される「スポーツコンフォートサスペンション」であれば、少し高速寄りの設定でダンピングが強くなるため、よりフラットな乗り味になるはず、ということでした。

生憎AMGラインを装着した試乗車はありませんでしたが、これまでのメルセデスの例では、低速ではほとんど変わらず、標準車よりも振動の収まりが早いはず、ということです。タイヤも標準の18インチから19インチになるので、乗り味は少し変わるかもしれませんね。

最後に価格。200dの車両本体価格が512万円と聞くと、ベンツにしては安いのかなと思わなくもありませんが、ほぼ必須のナビパッケージ18.9万円に、有償ボディ色7.1万円、AMGラインパッケージ28万円、そしてサンルーフ16.8万円や前後ドラレコなどをつけると価格は600万円に限りなく近くなります。

例えばBクラス200dだと、ナビパッケージやAMGラインなどほぼ同等のオプションをつけても本体価格は530万円。まあ、C180のワゴンだとどう頑張っても650万円くらい以上にはなりますので、ベンツとしては割安なのかもしれませんが、高いですよねえ。

7人乗りSUV選びの行方は…?
これがプジョー5008だとがっつりお値引きも入ったりして、GLBよりも100万円近く安くなりそうではあるのですが。
5008は代車で高速も乗りましたが、デザイン、価格、ユーティリティに優れている一方で、静粛性やシャシー性能、充実したADASはGLBの方が一枚上手です。

妻「長女ちゃんはどう思った?お父さんとママだけじゃなくて、みんなが気に入った車を選びたいのよ。」

長女「ベンツの方が静かで、ナビも未来的でカッコよかった」

至極的確なご指摘です……