(※2020/12/21 10:55 仕様変更内容を追記)

みなさまこんにちは。

さて、2021年3月には納車されると思われる我が愛車内定車のメルセデス・ベンツGLBですが、ここにきて突然のランニングチェンジが判明し、界隈がにわかにざわついております。
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問題をウォッチしていると現場は非常に混乱している印象で、私はまだメルセデスオーナーではなく、GLBの一予約者に過ぎないのですが、所有する前から面白い状況になってきていて、いざオーナーになったら抱腹絶倒して笑い死んでしまうのではないかと不安になってきます。


それでは、現在までに判明している時点のメルセデス・ベンツGLBのランニングチェンジに関する問題を簡単に整理してみます。

・2020年7月から国内納車が始まっているメルセデス・ベンツGLB 200dで、発売早々からランニングチェンジ(小規模な仕様変更)が行われていることが判明。

・ランニングチェンジの内容は、メルセデス・ベンツジャパン(MBJ)の資料などから分かっている限りでは以下の通り。

・サングラスホルダーの廃止
・サイドミラー下ウェルカムランプ廃止
・インナードアハンドル下のアンビエントライト廃止
・2列目中央のUSB-Cポートが「蓋あり2口」から「蓋なし1口」に変更
・助手席下の収納ネット廃止
・3列目読書灯廃止
・トランク床下のトノカバートレイの形状変更
・AMGラインのMercedes-Benzロゴ付きブレーキキャリパー(フロント)の廃止
・ドリルドブレーキディスク(フロント)がドリルド無しに変更
・サイドミラーのフレームレス化
・インフォテイメント・メータースクリーンのベゼルが銀から黒に変更
・センターコンソールのタッチパッド左右のボタンの塗装がピアノブラックからマットブラックに変更
・この他に、運転席足元のアンビエントライト廃止、との情報もあり

・MBJの通知では2020年9月納車分から混在しているとされているが、ランニングチェンジの情報が有力ディーラーであるヤナセの某首都圏店舗に正式に通知されたのが12月初旬ごろ。

・そのため、納車されてから仕様変更に気づくオーナーが続出。「MBJやディーラーに掛け合ったが対応しないと言われた」という話と「MBJが対応を検討中」という話がほぼ同時に流れる。

・その後、「MBJがブレーキ交換の対応を行うとディーラーから言われた」、「サングラスホルダーもつけてくれると言われた」などの情報が流れる。

・一方で、ランニングチェンジ前の2020年7月納車のAMGライン仕様車に、カタログに記載されている「スポーツコンフォートサスペンション」が装着されていないことがVINで確認され、納車時期に関わらず標準仕様の「コンフォートサスペンション」になっているとの情報が相次ぐ。

・2020年12月中旬にGLBのカタログがMBJ公式サイトから消え、同18日ごろに再度アップされる。更新後のカタログのAMGラインオプションのリストから「Mercedes-Benzロゴ付きキャリパー」と「スポーツコンフォートサスペンション」の表記が消える。価格は更新前の28万円のまま。


ざっと整理すると概ねこの様な状況です。

今回のGLBの仕様変更には、助手席下の収納ネットや3列目の読書灯などのかなり地味な装備に加え、AMGラインパッケージのセットオプションのアイテムリストに記載されている「ロゴ付きキャリパー」など、比較的目立つパーツも含まれています。

ランニングチェンジには、バックミラーのフレームレス化など商品性向上に資する部分もあるものの、総じて機能の廃止や削減であることから、オーナーから「コストダウンだ」「改悪だ」という声に加え、ランニングチェンジ前後の車がオーダー時期に関わらずランダムに納車されていることから、ネットでは「600万円ガチャ」と呼ばれる騒ぎになっています。

さて、このランニングチェンジをどう考えるかですが、自動車は高額商品であり、さらにメルセデス・ベンツはその中でも比較的高価格帯に位置付けられるブランドであります。

とはいえ大量生産の消費財であることには変わりなく、部品点数も非常に多いことから、微細な仕様変更が随時行われることは一般的なことだと思います。また、オプションの装備内容などによって生産開始時期や納期が異なることから、エンドユーザーの受注タイミングや受領の時期によって仕様が異なる場合があったとしても、これまた致し方ないのかなとは思います。

しかし、それはもちろんあくまでも常識的に受け入れられる範囲内であればということであって、事前にカタログ等で提示された情報に基づいて注文したものが、届いてみたら足りなかった、契約の誘引に使用された展示車や試乗車の仕様と大幅に異なるとなると、話は変わってきます。

今回のGLB 200dに関しては、特にAMGラインパッケージ仕様車において、税込価格28万円の有償セットオプションに含まれるはずのパーツが省かれている上に、オーナーに対して事前の説明もなく、車両を受け取った後にネットの情報などからオーナーが気付かされるケースが多かったようです。

これらの状況から推察するに、おそらくMBJでも仕様変更に関する情報を正確に把握できておらず、次第に事の大きさが明らかになるにつれて、後追いで本国方面に情報を確認したり裏取りをしているうちに、オーナーサイドの話が盛り上がってしまい、ディーラーやオーナーへの説明が後手に回っているという印象を受けます。

もちろん、装備が省かれることをどう受け止めるかはオーナー次第かと思います。ブレーキキャリパーのロゴなんか別に要らないという人もいるでしょうし、オーナーから特段不満が出なければ問題ないともいえます。現に当初は、MBJとしては特に対応しないという方針だったようです。

しかし、GLBについては、AMG専用ホイールの細いスポークから覗くロゴ付きキャリパーを楽しみに待っていたという人もいるでしょう。最初からなければ気がつきませんが、見比べたら後者はスカスカで寂しい印象になってしまうことは否めません。

サスペンションについても、私がここで指摘するまでもなく、車の乗り味を左右する重要基幹部品の一つであり、有償セットオプションで選択肢に入っているということは、標準仕様車のセッティングに満足がいかずに、わざわざ選択した人も多いのではないかと思います。

何を隠そう私もその1人です。

サスペンションについては外観から判別することも難しいため、すでに納車されたGLB AMGライン仕様車のサスペンションが「スポーツコンフォートサスペンション」であると信じて疑わず、「これはなかなかいいですねえ。」などと悦に入っていたにも関わらず、後からVIN情報を確認し、どうも自車についているのは標準仕様の「コンフォートサスペンション」であるらしいことを気付かされてショックを受けたオーナーもいるようです。

このあたりの機微は自動車業界のプロフェッショナルであれば当然理解しているはずです。これではオーナーにして「一体全体なんのためのAMGラインなのか」と思わしめるのは当然であり、このような情報が事前に知らされなかったことは、オーナーに対する裏切りであると言われても仕方がないのではないでしょうか。

いまや、こういったネガティブな情報ほどネットを通じてあっという間に拡散します。事後対応について昭和の学級連絡網のようにインポーターから販売店、販売店からオーナーにメールや口頭ベースで伝えるとなると、伝言ゲームのように話に尾鰭がついてしまう可能性がありますし、「聞いた」「聞いてない」といった情報格差が生まれたり、勝手にブログでまとめたりする者が出てきたりして収拾がつかなくなってしまいます。

MBJ様におかれましては、正しい情報をいち早くエンドユーザーにお届けする体制を是非とも整えて頂ければと思います。せっかくMercedes Meといった公式アカウントがあるのだからそれをフル活用してオーナーや予約者と直接コミュニケーションを取るとか。あまりドイツっぽくはありませんが。

なお、GLBのパッケージオプションのひとつであるロゴ付きブレーキキャリパーは、MBJが交換対応するという情報がありますが、その他については分かりません。いずれにせよ公式アナウンスを待ちたいところです。

もちろん気に入らない場合は、予約注文後であっても売買契約の締結前であれば予約をキャンセルすることは可能です。さらに、売買契約締結後であっても、かかる仕様のダウングレードを事前に知らされていれば本オプションを注文することはなかったから、錯誤無効により本オプションの契約を解除すること、並びに、商品の性質上、本オプションのみを解除することはできないため、車両本体の契約を同時に解除する、と主張することもできるでしょう。

そうはいっても、いまさらキャンセルしたって現有車の車検は迫っているからそう簡単にはいかないし、全体的には商品を気に入っているのだから、内装装備の細かな機能削減には目をつむるとして、カタログで謳われていたキャリパーなどをつけてさえもらえれば納得するという人も多いのではないかと思います。

整備工場で脱着が可能な部品であれば、仮に納車後であってもメーカーの負担で正しい部品を装着しなおせば解決するでしょう。GLBに関しては「注文したサンルーフがついていなかった」という噂もあり、ここまでくると笑えませんが。

ところが、GLBのAMGラインパッケージに装備されるはずのスポーツコンフォートサスペンションの方は、どうもランニングチェンジとはまた別の問題のようなのです。

「AMGラインなのにコンフォートサスだった」という証言が相次ぎ、ランニングチェンジ前であるはずの2020年7月納車の方ですら「VINを確認するとコンフォートサスになっている」という証言もある一方で、「いや、うちはちゃんとスポーツコンフォートサスがついていた」という証言には、私が知る限りではまだ触れることができていないのです。いまのところ「外れ」情報のみで、「当たり」が出てこないのです。

ひょっとして、そんなものは最初から存在しなかったんじゃないのか…

メルセデス・ベンツGLBのスポーツコンフォートサスペンションについて調べを進めれば進めるほど、そんな疑念を抱かざるを得なくなってくるのです。

そもそも、メルセデスの「スポーツコンフォートサスペンション」とは、メルセデスのAクラスやBクラス、CLA、GLAなどのFF系車種に採用されている、コンフォートサスペンションよりも若干高速寄りの設定のサスペンションのようです。

ディーラー関係者の話によると、「スポーツコンフォートサス」は「コンフォートサス」よりもダンピングが強化されていて、一般道ではその違いはほとんど感じることはできないが、高速でより安定感の高い走りを提供するとされています。

例えばGLAの場合、標準仕様車の全高は1,620mmですが、AMGラインを選択してスポーツコンフォートサスペンションを装着することで、15mm低下して1,605mmになると記載されています。また、Aクラスでは「スポーツコンフォートサスペンション」が全車に標準装備され、オプションで「AMGサスペンション」などを選択できます。

このスポーツコンフォートサスペンション、スポーツなのかコンフォートなのか紛らわしいですが、これは日本独自の名称であり、英語では「Lowered Comfort Suspention(オプションコードは677)」と呼ばれるようです。原文のドイツ語では「Komfortfahrwerk mit Tieferlegung(Comfort chassis with lowering)」です。

あいにく私はドイツ語が読めませんが、英国のBクラスやGLAのオプションリストにも、AMGラインの装備の一つとして「Lowered Comfort Suspension (lowered by 15mm rear and 20mm front)」などと記載されていますので、これが日本の「スポーツコンフォートサスペンション」と同じものとみて間違いないでしょう。
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英国のGLAとBクラスのカタログ。AMG Lineにlowered comfort suspension が装備されることが確認できる。


「Lowered」は「ローダウン」と翻訳してもよかったのでしょうが、ちょっとD○Nっぽい響きになってしまうので、意訳として「スポーツ」と名付けたのかもしれません。

それはさておきこの「Lowered Comfort Suspension」、GLBのドキュメントには一切出てきません。英国のカタログにも、アメリカのカタログにも、ダイムラードイツ本社のGLBに関する数十ページのプレスリリースの英訳版にも出てこない。日本ではGLB 250に装備される可変ダンパー(Adjustable Damping Suspension (457))はあるのにですよ。


GLB 200dのスポーツコンフォートサスペンションについて触れられているのは、私が調べた限りでは日本のカタログや、試乗記事で「オプション装備されるようだ」といった記述だけです。日本のGLBの試乗記事は多くがガソリン車の250のもので、200dのAMGライン版のスポーツコンフォートサスペンションを実車で評価した記事はないようです。2020年6月版のカタログにも、オプションリスト項目に記載はあっても、全高が変わることについては触れられていません。

主に米国の在庫車や中古車サイトで公開されているGLBのVINデータを検索しても、「677 Lowered Comfort Suspension 」は全然出てきません。

ってことは、メルセデス・ベンツGLB 200d AMGラインパッケージに装備されるはずだった「スポーツコンフォートサスペンション」は、どういうわけか日本のカタログにだけ記載されてしまっていたもので、そもそも実在すらしないパーツなんじゃないのかなあ……

というのが現時点での私の見立てです。

なお、私が2020年9月に発注したGLB 200d AMGラインパッケージ仕様車、生産開始はおそらく2021年1月の模様で、どんな仕様になるのかまったくわかりません。

僕のほぼフル装備のGLB、蓋を開けてみたらちゃんと全部ついてた!さすがメルセデス!!やるじゃん俺たちのメルセデス!!

ってなったらいいなあと、正月特別祈祷のお土産でもらう葛湯のような薄い期待を抱きながら、本件はまだ進行中の案件ですので、また進展がありましたら報告させていただきます。