みなさまこんにちは。

さて、私運転歴25年以上、自動車保有歴5台目で、このたび人生初の新車を購入し、人生初の新車納車待ち期間なわけですが、いざ納車されたらどんなアクセサリーをつけようとか、こんなカスタマイズをしようかとか考えているのかと思いきや、頭の中は、どの株を買おうかなあということばかりなんですよ。

というのも、わが時期愛車予定のメルセデス・ベンツGLBを購入するにあたって、久しぶりに2ch(というかいまは5chなんでしたっけ)などを覗いていたら、ちょっと気になる発言がありましたので。
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「残クレでしか車買えない貧乏人」みたいな煽りをしばしば見かけるんですよね。「残クレ」とは、「残価設定型クレジット」のことですが、要するに「金持ちは現金で車を買えるけど、そうでない奴らはローンを組まないと買えないんだろう」とマウントを取りたいのだと思います。

いや、むしろ逆なんじゃねえの?と思うわけですよ。お金に余裕がある人ほど、ローンをうまく使っているんじゃないか、もっと言えば、お金に余裕がある人ほど、ローンで車を買うべきなんじゃないかと思うのです。

JDパワーの「2019年自動車セールス満足度調査」によると、自動車をローンで購入する人の割合は全体の約31%だそうです。また、別の記事などによると、レクサスやメルセデス・ベンツ、アウディなどのプレミアムブランドでは、ローンの利用率は概ね5割程度であるようです。

プレミアムブランドの保有世帯の方が経済的に余裕があることは疑いの余地はありません。ところが、「残クレ貧乏」とは裏腹に、ローンの利用率も高くなるようなのです。

これは商品の価格が高くなるからという理由もあるのでしょうが、やはり積極的にローンを使おうという人が多いのではないでしょうか。

例えば、500万円の新車を買えるだけの貯金は十分にあって、現金一括払いで購入しても、さしあたって生活などに影響はない場合。こういう時こそ、ローン一択だと思うのです。余裕があるからこそ、積極的にローンを使うべきと強調したいのです。

いや、ローン金利や手数料なんかアホらしくね?と思われるかもしれません。

ローン手数料はなければない方がいいですが、結論から申し上げると、車を現金で買ってしまわずに、購入資金を投資に回しましょうよ、という話です。ローンの手数料を超える利回りを獲得することができれば、新車にも乗れてお金も増えてハッピーじゃないですか。

そんな上手くいくかねえと思われるかもしれませんが、勝率はなかなか高いと思います。なぜならば、ローン手数料を超える利回りがゴールだとすると、そのハードルは決して高くはないからです。

なお、私は金融機関の回し者でもオートローンのアフィリエイターでもありません。完全にノーポジションです。金融の世界では当たり前の話だと思いますが、そういえば自動車界隈でこういう話ってあまり見かけないよなあと思い、こういう考えもあるねえという感じでお読み頂ければ幸いです。

それでは具体的に検討してみましょう。例として総額約500万円のメルセデス・ベンツAクラスで考えてみます。メルセデス・ベンツA200dの車両本体価格は441万円ですが、ナビパッケージやAMGラインなどのオプションを付けて493万9千円にしました。メルセデスの見積もりシミュレーションによると、この構成で諸費用込みで4,998,870円と、ほぼ500万円になります。Cセグハッチで500万円かよ、高いなあ、おい。

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それはさておき、この車を現金一括払いで買う場合は、説明するまでもありませんが、車両を受け取るときに全額を支払っておしまいです。図にするとこうですね。
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ここで「ん、購入後は500万というか、買ったが最後その瞬間に価値は落ちるんじゃね?」と思われた方、それは確かにその通りです。
まあそこは単純化して無視したとしても、自動車は消費財ですので、毎年必ず価値が低下していきます。軽自動車だろうと高級リムジンだろうと、プジョーだろうとベンツだろうとトヨタだろうと、車種やブランドによって程度の差はあれ、価値の低下は避けられません。
新車で購入した自動車を5年後にいくらで買い取ってもらえるのかはなんとも言えませんが、例えば上記のメルセデス・ベンツAクラスの場合、後述する残価設定型ローンの見積もりによれば、224万円になるようです。

つまり、5年で55%ほど価値が減ることになります。もちろんこの残価はなんら保証されているわけではありませんので、その時の相場や車両の状態によっては下がる可能性もあります。投資という観点では、5年後に50%以上負ける、しかも100%の確率で負ける、勝つことはあり得ない、という極めて分が悪い勝負です。まあ、消費財ですから、価値が下がっても仕方ないです。

次に、Aクラスを「ウェルカムプラン」という残価設定型ローンで購入するとどうなるでしょう。支払い年数は5年、頭金と下取車はゼロ、ボーナス払いもゼロのフルローンです。残価は設定上の最大値の224万円にします。

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結果は次の通りです。この残価設定型ローンでは、初回に58,240円、2回目以降は毎月54,900円を5年間支払います。5年間の支払い総額は3,436,160円。その時点で車両を返却するか、残価の224万円を支払って車両を乗り続けることもできます。5年後に車両を買い取った場合の総支払額が、5,537,340円ということです。ローン手数料として、車両価格の約10%にあたるおよそ50万円を支払うことになります。
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バランスシートはこうなりますね。現金で購入した場合は、自分の財産として車両が表示されますが、ローンの場合、車両の所有権はディーラーや信販会社ですので、自分の財産にはなりません。その代わりに、ローン負債が表示されます。
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50万円といえば、そこそこのオプションを付けられる金額ですが、これを複利のCAGR(平均年率)で計算すると、およそ2.11%になります。複利なので、金利が年1%だとすると、100万円が1年後に101万円、2年後には101万円から1%増えて102.01万円、3年後には103.03万円になります。初期投資が500万円、金利が2.11%で、5年後に550万円になるという考え方です。表記上の実質年率である2.90%がどう計算されているのかは分かりませんが、単純に計算するとこうなります。

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なお、自分が買おうとしている車のローン手数料のCAGRを計算したい方は、エクセルなどで下記の式を入力してください。

CAGR = ( 支払総額 ÷ ローン元金 ) ^  {1 ÷ ( 支払年次 -1 )}- 1

上の表の例に当てはめると、「( 550万 ÷ 500万 ) ^ {1 ÷ ( 6 - 1 )} - 1」で計算できます。5年ローンの場合、「支払年次」には+1の「6」と入力するのがポイントです。

さて、ローンであれば、手元にまだ500万円残っていますから、このお金を何らかの有価証券に投資して年間2.11%を上回るリターンを出すことができれば、ローン手数料の元が取れることになります。
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株式投資なんかをやられている方は分かると思うんですが、年2%のパフォーマンスというのはどえらい控えめな数字です。だって、日経225の2015年12月30日(19,033円)から2020年12月30日(27,444円)までのCAGRは、年間7.59%ですからね。
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年率7.59%と想定すると、日経225に500万円投資すれば、5年後にはなんと720万円になる計算です。ここでファンドを解約して220万円の利益を確定し、20%の所得税が課せられても176万円残ります。ローンの手数料50万円を引いても120万円残るということです。もちろん指数に直接投資できるわけではありませんので、実際のインデックスファンドのパフォーマンスとは異なりますが、簡単だと思いませんか?

えっ、500万円の一発投資は危険?そうですね。「卵をひとつのカゴに盛るな」という格言もありますし、そもそも過去の推移が将来も続くとは限りません。それでは、毎月一定金額を同じファンドに積立投資することにしてみましょう。

500万円を5年間で毎月均等に投資するということは、毎月83,333円を積立投資していくことになります。パフォーマンスを年間7.59%とすると、月次で0.63%。これが60ヶ月続くと仮定します。

1ヶ月目に購入した83,333円は2ヶ月目に83,860円、3ヶ月目に84,391円と毎月0.63%ずつ増えていきます。2ヶ月目に投資した83,333円は、前月の投資から1ヶ月遅れて、やはり0.63%ずつ増えていきます。こうして、初月に投資した83,333円は60ヶ月後には120,909円に、2ヶ月目に購入した83,333円は残りの59ヶ月で120,149円になります。実際には株価は毎日変動するため、上がる月もあれば下がる月もあります。株価が下がれば投資したファンドの価値も下がりますが、下がった月には安く投資することができるため、株価の変動を吸収しやすいのが積み立て投資のいいところです。
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この積立投資を60ヶ月続けると、総投資額の500万円はおよそ17%増えて6,058,680円になります。ちょっと細かくて見にくいかもしれませんが、こんな感じです。
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ちょっと少ないですね。キャピタルゲイン(株価の上昇による資産価値の増加)だけで計算するとこうなりますが、実際は、ファンド自身も投資先の企業から配当を受け取って再投資に回しますので、さらにパフォーマンスは上がるはずです。実際、日経225のインデックスファンドを長期に積立運用している方は、評価損益が2倍くらいになっている方もいると思います。

私がインデックスファンドの積立投資が好きな理由は、何も考えなくていいところなんですよ。証券会社の口座を開設して、日経平均などの指数に連動する手数料が安いノーロードのインデックスファンドを選んで毎月の投資金額を設定するだけ。あとはほったらかしです。企業の決算書を読み解く必要もなければ、世界経済の動向に目を光らせる必要もありません。唯一気にすることといえば、証券会社の現金残高がなくならないように、定期的にウォッチして入金することくらいです。ほんと簡単です(※個人の感想です。)

ただし、インデックスファンドの場合、どうしても指数を大幅に上回るパフォーマンスは出ませんので、結果はよくて2〜3倍というところじゃないでしょうか。ダウ平均だって10年で3倍にしかなっていませんからね。

これ以上のパフォーマンスを求めるとなると、私だったら個別企業の株式を直接購入します。個別株の場合、企業の成長に応じて株価が5倍、10倍、100倍になる可能性があるのがいいところです。もちろん業績悪化で倒産したり、株価が下がり塩漬けのまま上場廃止になってしまうリスクもありますが。

日経新聞の調査によると、「2008年のリーマン・ショックの直後から2020年のコロナショックの直前までの間に10倍以上に値上がりしたことのある銘柄は839に上った」そうです。


そうはいっても10倍株を拾うのって、これから大きく成長しそうな企業や業績が回復しそうな低迷企業に投資しなければいけないので難しいですよね。私も落ちるナイフを手掴みしてザックリと負傷した経験もあります。でもビビッて10万円くらい買ったって、10倍になっても100万円ですからね。うれしいけどうれしくないというか、100万円が1000万円になれば私のようなサラリーマンにとっては夢があるなあと思うのですが、雀の涙ほどの資金では思い切ったポートフォリオができないのが悲しいところです。

まあそれはそれとして、あまり細かすぎない程度に分散投資し、余程ダメなところに資金を集中させたりしない限り、100%の確率で負ける現金一括払いよりはよっぽどいいと思うんですよね。

また、キャピタルゲインだけでなく、配当金や株主優待を狙うという手もあります。例えば三井住友フィナンシャルグループの過去5年間の平均年間配当金額は、1株あたり176円です。2020年の終値が3,188円なので、500万円で1,500株購入したとして、年間配当収入は264,000円。5年で1,320,000円になります。税引き後で105.6万円ですね。

ちょっと物足りない感じがしますが、自動車ローンの手数料を超えるパフォーマンスが目的ならこれでいいんじゃないのという気になってきます。もっとも、あくまでの企業の配当原資は利益ですので、盤石と思われた高収益インフラ企業が厄災によって転落の憂き目に遭うこともありえます。

ということで、現金一括払いよりもローンの方がお得である理由がご納得いただけましたでしょうか。私なら、国内と海外のインデックスファンドに20%ずつ、残りの60%は、安定的に利益を出していて配当もそれなりに出す企業3〜4銘柄という感じでしょうか。

これで首尾よく資産が増えてくれれば、存在するはずだったメルセデス・ベンツGLBのスポーツコンフォートサスペンションが、納車待ちの間にいつの間にかカタログから消えてしまい、高速試乗時に「旦那、スポーツコンフォートにすればもっと安定しまっせ!」と言われてこのサスを目当てに28万円のAMGラインパッケージを契約してしまった私が負った深い心の傷も、癒されるというものではないでしょうか。